暴力団関連企業からの事務所借用問題
21日の市長会見で、暴力団関連企業からの事務所借用問題について聞かれた吉田宏福岡市長は、おかしなことを言い始めた。
実はこの時の市長の答弁は、重大な疑惑があることを証明してしまった形になるのだ。
金の流れを巡って、県連側の言い分と吉田市長の認識が違うことも明らかとなり、問題はさらに拡大する様相を見せ始めている。
◆本当に賃料が支払われたのか?
定例会見で地元メディアの記者が聞いたのは、本当に問題の事務所の賃料がビルのオーナー会社(つまり貸主)に支払われたのか、ということである。
確かに、関係者の話を総合してみると、借用はしたが賃借ではなかったはず、との声も多い。
市長選挙当時、取材にあたっていたマスコミ関係者からもこれを裏付ける、いわゆる傍証が寄せられている。
しかし、民主県連は吉田市長側の政治団体「吉田ひろし後援会」に対し、平成19年1月になって80万円だけを支払ったとしてきた。
吉田市長名義で契約しておきながら(この点だけは、市長本人を含む全ての関係者の証言が一致)、なぜ吉田市長ではなく、後援会に支払ったというのか、全く辻褄が合わない話なのだが、県連側が取材に応じないため、これまで真相が明らかとなっていない。
吉田市長名義で契約し、1ヶ月分家賃40万円・保証金40万円・敷金40万円、合計120万円を支払ったが、退去にともない、敷金40万円が戻されたため、事務所を使用した民主県連が支払ったのは80万円で済んだということになっていた。
しかし、市長会見で吉田市長は前述の質問を受けて、かなりの戸惑いを見せた。
初めて聞く話としながら「それは県連が払ってないということですか?」と何度も聞き返す。
吉田市長名義で契約、一旦支払いがなされ、問題の物件の実質的使用者である県連が、後日、吉田市長側に実費を支出した。以上がこれまでの筋書きである。
これだけでも辻褄が合わない話だったのだが、会見の答弁を聞くと、どうやら吉田市長は暴力団関連企業への支払いの有無について、民主県連がダイレクトに支払いを起こしたと考えているかのようだ。吉田市長側は県連にその分の金を支払ったような言い回しであったのだが、吉田市長側がその県連の支出原資を用意したのであれば、大変な問題になる。 公選法が禁止するところの「寄附」行為である。疑惑は深まったというしかない。
政治家である吉田市長が説明責任を負っているのは明らかなのに、全てを県連に放り投げる姿勢は見苦しい。
自身の名義で不動産を借りたというのなら、領収書・契約書を提示した上で、きちんと「身の潔白」を証明すべきである。
最大の疑問は、金の流れである。本当に賃料は払われたのか?さらに取材・検証を続ける。
つづく
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