01◆北九州市の産業特性と貿易協会の役割(その3)
社団法人 北九州貿易協会 専務理事 山﨑 朖氏に聞く
02◆北九州市政を語る―社民市民連合 長野敏彦市議会議員に聞く
北橋市政のマニュフェストは緒についてきた
03◆関門連携・下関の視点から
シーモール・下関商業開発株式会社 吉田実社長に聞く(その3)
◆北九州市の産業特性と貿易協会の役割(その3)
社団法人 北九州貿易協会 専務理事 山﨑 朖氏に聞く
―――――産業の空洞化が進めば、都市の存続も危うくなりますね。
山崎:
北九州市にしても、福岡市にしても、都市という経済単位をしっかり認識した産業経済政策をすすめることが重要になってきている。
グローバリゼーションが進むなかで、特に製造業の比率の高い都市の場合、企業の成長と都市の成長が必ずしも連動しないという問題がある。この点が北九州市の我々に突きつけられている与件だ。
また、雇用を促進しても、グローバルな競争の中で賃金が下がっていくことも考えられる。したがって、雇用の創出が都市の経済的な成長につながらない矛盾も出てくる。これは、商業全般にも言えることかもしれないが、こうした問題があると言うことだ。
―――――そうした状況のなかで、40周年を迎えた北九州貿易協会は、どのような活動を展開していくのですか。
山崎:
北九州市の消費活動をどのように高めていくかという点もあるが、企業活動の活性化が北九州市発展の大きな要素である以上、国際化のなかに新たな成長の可能性を見出していくことが必要だ。
これまで、国際的な活動は大企業のものであったが、今や中小・零細企業のものにもなってきている。IBPO(北九州国際ビジネスプロモーション・オフィス)は、個人若しくは中小企業が国際的なベンチャーをやるためのインセンティブ・オフィスだ。
国際市場の中で活動する企業規模が、大企業から中小企業や個人にまで移り、新しいダイナミズムがその辺のところから芽吹きはじめている。そうしたところをフォローアップしていかなければいけない。
貿易協会という社団法人は、貿易をするための協同組合のようなもので、交流・交易を促進する団体としてスタートしたが、企業の活動も、グローバル化が進むなかで難しくなっており、また、地域振興政策とも絡んできている。
そのため、貿易協会では行政との連携を図っている。北九州貿易・投資ワンストップサービス(KTI)センターの中で、地方自治体(北九州市)、国(ジェトロ)、民間(貿易協会)が三位一体となって、それぞれの機能連携を図っている。
―――――KTIのように中小企業の国際ビジネスを三位一体で支援するセンターは、他の自治体にもあるのですか。
山崎:
多分、日本国内ではここだけでしょう。縦割りではなく、一つになって地元企業の国際ビジネスを支援する。これが北九州市の国際経済施策の特徴だ。
※北九州貿易協会(http://www.kfta.or.jp/)
(続く)
(取材:森脇喜一)
◆北九州市政を語る―社民市民連合 長野敏彦市議会議員に聞く
北橋市政のマニュフェストは緒についてきた
【長野敏彦議員のプロフィール】
昭和21年8月生まれ 61歳 北九州市小倉北区出身
九州工業高等学校電気科(現・真颯館高等学校)卒業
昭和40年西日本鉄道株式会社入社
日本社会党小倉書記長など経て、平成9年から北九州市議会議員 3期目
小倉北区選出 総務財政常任委員会委員長
―――――市議会議員になられた経緯をお聞かせいただけますか。
長野:
西鉄に入社して組合活動をしていたのですが、組合活動に関心を持ったのは、同期入社の友人が電車の車掌をやっていて会社からあらぬ嫌疑をかけられ、「働く人間の権利を守らなければ」と思ったことからです。
27歳の時、吉田法晴衆議院議員の公設秘書になるために西鉄を辞め、政治の世界に入っていきました。
32歳の時、初めて市会議員補欠選挙に出たのですが、残念ながら次点でその後、社会党の小倉の書記長などを務め、役員として裏方で党の活動を支えていました。
平成9年1月の市議会議員選挙直前、前年の8月に小倉北区の現職議員が亡くなり、急遽後任として擁立されました。
ちょうど当時衆議院選挙が行なわれたのですが、新進党の弘友議員の事務所に社会党の立場で応援に入り、その選挙が終わって、ようやく自分の選挙を短期間で戦わなければならなかったのですが、支援者の皆さんのお陰で当選することができました。
北九州はモノ作りの街と言われますが、それを支える働く人達の立場でこれまで市政に携わってきました。
―――――平成20年度の北九州市政の重要課題は何だとお考えですか。
長野:
末吉前市長時代に基本的インフラは整備されたと思います。
しかしそのインフラは国の補助事業が多く、北九州市には大きな負担が残されています。市債償還のため財政面は非常に厳しい状況です。
北橋市政になり、私たち社民市民連合は与党として、「ハードからソフトへ」という路線を全面的に支持して、財政状況が厳しい中でも市民の要望が強い事項には重点的に予算配分を行うことができたと思います。
しかし、財政状況が厳しいことに変わりはありませんので、やはり歳入を増やす手立てに取組むことと、更なる無駄の削除が必要だと思います。
続く
(取材 松尾潤二)
◆関門連携・下関の視点から
シーモール・下関商業開発株式会社 吉田実社長に聞く(その3)
―――――「海峡の歴史」を活かすという考え方は面白いと思いますが、どういうことですか。
吉田:
仕事や通学で北九州と下関を、海峡を渡って行き来する人は多いのですが、やはり違った文化をもっていると思います。
言葉も文化も違う中で、同化するよりも、それぞれの特徴を活かして上手に利用しあう関係ができればいいですね。
まず言葉ですが、長州の言葉は標準語に近いと言われています。
明治維新後、陸軍の公職に長州出身者が多かったため、長州の言葉が標準語に取り入れられたことが影響しているのではないかと思います。
更に遡って、関が原の戦いで西軍の総大将毛利家は破れ、中国地方全体を支配して100万石以上の藩であったのが外様となり36万石に事業縮小させられたため、藩士も大リストラせざるを得なかったのです。
その時、優秀な武士が残り、教育を重視して吉田松陰など日本の礎を築く風土が産まれたのだと思います。
その前の源平や、明治維新にかけて日本を大きく変えた歴史もありますが、こうした歴史風土を是非北九州の方々にも見直していただき、今も残る多くの歴史的建物や文化に触れていただきたいと思います。
すぐ隣の下関に日本の過去、現在、そして将来のヒントがあるのではないかと思います。
―――――シーモールの魅力を改めて語っていただけますか。
吉田:
複合的商業施設は、今は目新しくないかもしれませんが、その先駆けとなったシーモールは、地域密着型のショッピングセンターとしていろいろなイベントや取組みをしています。
特に小さなお子様から年配の方々まで、このシーモールで思い出作りをしていただきたいと参加体験型のイベントをいろいろ行っています。
例えば、クリスマスシーズンには、ホール中央の広場に大きなクリスマスツリーを飾り、その周りをお子さんたちから大人まで「クラシックバレー」を踊っていただくイベントを行っています。くるみ割り人形などのクラシックバレーは特定の会場で行われることが多いのですが、シーモールのようなオープンの場所で、それも360度、横からも上からも見ていただけるので大変話題となり、出演者にも、お客様にもご好評いただいています。
生活の一部として、人生の中で思い出に残る場所としてシーモールは皆様に愛されていきたいと思っています。
~取材後記~
6月には「父の日1000人の似顔絵展」として地元幼稚園・保育園の園児が描いたお父さんの絵を飾ったり、親子で楽しめるイベントを行うそうだ。
また6月28日には女優の浜美枝氏を招いての「地球環境は今~食の安心・安全はどうなる~」と題した講演会がシーモールホールで開催されるそうだ。
詳しくはシーモールのホームページで確認を。
http://www.tip.ne.jp/seamall/
関門連携にはまず、「下関がどういうところなのか」もう一度見直してみることが必要だ。
関門トンネルを渡って、シーモールに寄って、下関の歴史や文化に触れてみてはいかがだろうか。
(取材 松尾潤二)
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