このコラムに、筆者が「愛する積水ハウス」シリーズを展開しているが、それに共鳴したのか、実態を知らしめたいのか、積水ハウスの東北で起こったことについての誹謗、中傷とも取れる数年前の記事が送られてきたとの事。社会派情報誌を標榜する、福島県の情報誌のようだ。この種の情報誌はニュースソースも不明確で、噂でも事実かのごとく書いてしまう。単に売り上げが上がればという発想で、面白おかしく記事を構成することが多い。この種の記事に、筆者はまともに受け取る意思はない。記事の内容に品性を全く感じられない。資料を送ってきた人の意図がわからない。悪意に満ちているように思う。
筆者は事実の不明確な誹謗、中傷に組するつもりはない。なぜなら、筆者が根も葉もないことを書き立てられたら、許せないと思うからだ。誤解しないでもらいたい。筆者の意図はシリーズを初めから読んでもらえればわかるが、積水ハウスが憎いわけではない。表題のとおり、積水ハウスを愛しているのである。現在の積水ハウスの低迷を脱却して欲しい。再び栄光を取り戻して欲しいと願っているのである。
積水ハウスは田鍋が築き、社会の人たちに信任され、トップ企業にのし上がったのである。その経営哲学は人間愛だ。田鍋が培った人間愛は和田会長、安部社長になって、トップにその意識が薄れても、17000人の社員は、しっかりに生き続けているのである。和田体制が田鍋元社長と違い、人事の公平性に欠け、中央集権的に物事を進めていることに警鐘を鳴らしているのである。このまま放置したら、歯止めが利かなくなるだろうと危惧して、心ある社員に「外部にもキチンと見ている人がいるよ」と、励ましとエールを送っているのである。このシリーズを単なる噂話として面白おかしくしてはならないのである。品格あるものであるべきと思っている。
住宅産業は積水ハウスがメーカー直販売をすることをはじめて以来、各社ともメーカー直販売である。販売競争は激しく厳しい。営業マンの帰宅は毎日夜10時は下るまい。一流会社と憧れて入社した社員は、特に、若者の中には、現実の厳しさに耐えられず、辞めていくのが多いのも事実だろう。仕事に追込まれたり、借金や他の理由で自殺する者、病気になって死ぬ者もいるだろう。だからと言って、因果関係を積水ハウスの当時の責任者のせいと断じることは出来ない。
ただ「火のない所に煙は立たない」のたとえの通り、社長の締め付けが強いため、支店長、本部長が無理難題を部下に要求していたことは想像できる。契約数字は営業部門では至上命題である。トップが無理を要求すると、部下は苦し紛れに不正、または架空契約を計上することがあるのも事実だろう。部下がもしこのようなことをしたら、管理者である支店長は見抜く力があるべきなのを、見逃しているのである。
このような不祥事を発生させないためにも、社長以下営業本部長、支店長が部下に責任を取らせるのでなく、自らが市場を任せられた地域の社長として責任をとるべきなのだ。心ない、ただ威張るだけの支店長、本部長がいるのであれば、それを任命しているのは、和田会長(前社長)である。このあたりの公正な人事政策を実施できるかが、課題だろう。
野口孫子 (敬称略)
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