吉田宏福岡市長が、昨年１２月、市長公用車に一般市民を乗車させていたことが発覚した。全て税金でまかなわれている市長公用車がタクシー代わりに使用された形となった今回の事件、市役所の内外から「市長失格」の声が聞こえてきそうだ。

◆公表されなかった「公務」

　昨年１２月４日、吉田市長はホテル日航福岡で行われた、ある祝賀会に参加した。
その後、中央区平尾にある居酒屋で行われた、別の酒席に出席する。
　市役所秘書課に確認したところ、ホテル日航福岡の祝賀会も、平尾の居酒屋での会合も「公務だった」という。

　しかし、公表されていた同日の公務は市役所内での仕事だけであり、夕刻から夜にかけての公務は公表されていない。
　吉田市長の「公務」については、東京出張の折の不自然な日程の組み方や、訪問先とされる省庁の部局についての情報を隠すなど、不透明な事案が続いていた。

　問題は、今回の公表されていないふたつの「公務」が、飲食をともなうものであるということである。

　かつてMAXふくおか市政ニュースでは、吉田市長の誕生日における「経済人との飲食」について追求した。市議会でもそのことについて、市長が質問を受けたことは記憶に新しい。
「飲食をともなう公務」については、事前に公表しないという方針なのだろうか・・・？
いずれにしても、今回の事件に関連する「公務」は、公表されていなかったのである。

◆公用車　市長の両サイドに美しい女性が二人・・・

　ホテル日航福岡で行われた祝賀会の後、吉田市長は次の「公務」に参加するため移動する。次の公務は「女性経営者を含む経済人との懇談会」に参加するというものである。
　実は「女性経営者を含む経済人との懇談会」という会合の名称は、本社取材班が１２月４日夜の「事件」について、市秘書課に問い合わせてから出てきた名称である。

　わざわざ「女性経営者を含む」と銘打たなくても「経済人との懇談会」で済みそうなものだが、公務というからには事前にそうした名称で案内が来ていたのであろう。
　その懇談会に向かう市長公用車には、吉田市長を真ん中に挟んだ形で二人の女性が同乗していたのである。

吉田市長はホテル日航福岡玄関で公用車に乗車する際、二人の女性を左右にエスコートし笑顔で次の目的地へ向かったとされる。

　後部座席の真ん中といえば、吉田市長が一番へりくだった形の乗車位置だったことになる。
レディファーストということなのだろうが、両手に花と見られなくもない。

　市長公用車に女性二人を同乗させ、タクシー代わりに使用・・・。
前代未聞の出来事といっても過言ではなかろう。