東証一部の佐伯建設工業株式会社とジャスダックの国土総合建設株式会社が4月1日合併して、佐伯国総建設となったが、改めて7月1日付で「あおみ建設」に社名変更することを発表した。
佐伯・国総ともマリコン業界である。両社の業績は業界の状況を反映して赤字が続いていた。悪化する業界同士の何故かの合併、当合併はマリコン業界でも驚きをもって受け止められた。
合併比率
佐伯は合併前にリストラ行使と特損計上するなど収益体質を改善して合併に臨んだ。当然佐伯が承継会社となるが、佐伯の自己資本は12億88百万円(08/3)、国総は86億99百万円(07/3)。発行株式総数も佐伯は国総の約10倍あった結果、国土総合建設の株式1 に対して佐伯建設工業の株式を8.5 株割り当てる合併となった。
裏には高松建設
そこで、クローズアップされるのが、青木あすなろの動きだ。過去破綻した青木建設の流れの会社であるが、スポンサーは急成長してきたデベロッパーの高松建設。その青木あすなろ建設が、佐伯国総の発行済株式総数の12.1%を所有する筆頭株主に躍り出たのである。国土総合建設の23.8%を有する筆頭株主であったことから、今回の合併で実質佐伯(国総)建設工業の筆頭株主となった。
親会社、高松建設の戦略は、海外港湾工事で実績のある旧青木建設を核に旧佐伯建設工業、旧国土総合建設を、疲弊する官庁依存の国内市場より、海外市場への大展開を視野に入れ合体させる戦略と思われる。高松建設の戦略はしたたかである。
新社名は、佐伯の名を消し、青い海をイメージしての「あおみ」。
高松建設は、今後「あおみ建設」が青木あすなろに対して第3社割当増資を行い、青木あすなろの連結子会社にすると見る。また今後「あおみ建設」と「青木あすなろ」を合併させてしまえば、旧青木建設が佐伯建設工業の力も得た会社となり、マリコン業界に衝撃を与えることになろう。
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