建設業の倒産急増、全産業でトップに
昨年6月20日に施行された改正建築基準法による混乱で、大手四大銀行グループ(三井住友FG、みずほFG、三菱UFJG、りそなFG)は08年3月期決算で総額3,652億円もの貸倒損失を計上した。この数字は対前期比で82%もの急増となった。07年度の全国の建設業倒産は対前期比5.5%増の4,090件であった。
貸倒損失の他にサブプライム損失が、この四行に加えた住友信託、中央三井トラストの二行を合わせて9,800億円に上って34%の減益決算となった。各行共に09年3月期の貸倒損失は更に多額になると発表している。
九州地区の銀行では、十五行が建設業融資を減少させており、全十九行全体における08年3月末の融資残高は1兆3,167億円・対前年度比5.9%の減少と、全産業中で最大の減少幅となっている。また、08年3月期の九州・沖縄地区の建設業倒産は344社にのぼった。
この最大の原因として、前述の改正建築基準法施行による確認申請の混乱で、7月からの着工戸数が急減したことが挙げられている。
原油・資材・食品等の相次ぐ高等が需要減退を招く
4号物件と称される低層小規模物件は、適用条件が緩和(延期?)され漸く回復基調にはあるが、原油高によるガソリン代、食品、野菜を含めた穀物類等の高騰が続いており、生活防衛も含めた将来への不安感が募り完全回復には至っていない。先週末には、原油価格が遂に1バレル135円を突破した。5月の全国のガソリン平均価格は1ℓ当り161円だが、6月の販売価格は10~11円上がり遂に1ℓ当り170円台に上ることになる。
福岡市内のように公共交通網が比較的充実している地域は良いが、地方都市や高齢者層の多い過疎地では自動車の利用が避けられず、生活費の負担増は避けられない。更に今後電気料金やガス料金の値上げが避けられないのだ。東電は原油価格が130円を突破したことにより、電力価格への転嫁を決めた。基準価格を50%以上値上げすると言う。
原油相場についてはゴールドマン・サックスに続きクレディスイスも予想レンジの上限を1バレル150円に引上げた。
これでは個人消費の落込みは避けられない。(つづく)
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