~市長公用車不適切使用に反省なし~
(中牟田健一氏への直撃取材から)
昨年12月4日(火)、吉田宏福岡市長が、市長公用車に女性2人を同乗させ、タクシー代わりに使った問題は、市秘書課長が事の経緯について「中牟田健一さんに聞いて下さい」と説明責任を放棄。問題の中央区平尾の飲食についても「公務」であると強弁しながら、参加者など会合の詳細についても、中牟田氏に聞けと、本来の自身の「公務」を民間人に押し付けていた。
やむなく、中牟田健一氏(元岩田屋社長)に取材を申し入れ、多忙な同氏に話を聞くことができたが、残念ながら全ての疑惑は晴れなかった。
それどころか、中牟田氏自身が吉田市長から誘われ、市長公用車で自宅まで送られていた事実が判明、公務を盾に「全く問題ない」としていた市長や市秘書課などの強弁の根拠は、事実上崩れ去った。
中牟田氏の説明については詳細を掲載したが、改めて疑問点や矛盾について検証してみよう。
◆12月4日・中牟田氏の人脈・尽力で連続した「公務」
問題の12月4日、6時半以降の吉田市長の「公務」は、3件だったことになっている。
しかし、既報のとおり、毎週金曜日に発表される市長の公務日程には、3件とも入っていなかった。特に最後の2件は今回の問題に直結する公務である。情報公開請求で開示された同日の公務についての文書を、参照していただきたい。
なぜか市役所公式ホームページ上の市長の動きにも、昨年12月4日の問題の2件は記載されていないが、後出しの公務日程では
20時15分 シュードル・ニコラ氏祝賀会
21時 地元経済人との懇談会
となっている。
シュードル・ニコラ氏については、これまで「フランス農事功労勲章受章者」と記してきた。中牟田氏はこのニコラ氏を、自身が社長だった岩田屋に誘ったのは自分であるとして、親しみを込め「ニコラ」と呼称する。
そして、そのニコラ氏の授章祝賀会への出席を吉田市長に依頼したのも中牟田氏だったと明言している。「祝賀会の初めだか終わりだか、ちょっと顔出して、挨拶だけでも、と話をした」まさに中牟田氏が市長の出席を促したということだ。
その延長線上に「パーティ(ニコラ氏の祝賀会)では、ほとんど食事ができない。市長も自分も食事をしていない。もしよかったら食事かたがたフランスのマスコミの方と話をしませんか」として中央区平尾の和食店「なかむた」を予約したとする。
12月4日のホテル日航福岡で行なわれた「祝賀会」と、中央区平尾の和食店「なかむた」で開かれた「懇談会」は、中牟田氏のコーディネイトで決められた「公務」だったことになる。しかも、平尾「なかむた」の飲食については案内文書さえ存在せず、口約束のレベルだったことが証明された。口頭で市役所に「公務」を認めさせるとはすごいことである。
中牟田氏の吉田市政への影響力の強さに驚かざるを得ない。
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