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特別取材

No.039┃田中恵公認会計士事務所 公認会計士・税理士 田中恵 氏 | 福岡への提言200人
特別取材
2008年6月10日 09:30

発展する福岡の街だから、未来をもっと具体的に
 クライアント企業をサポートし、地域と文化の発展に期待を

企業の将来とオーナーの立場に立ったコンサルティング

 事務所を開業して今年で13年になります。手前味噌になりますが、「仕事の報酬は仕事」と言う私の恩師の言葉が実感できる事務所になれたように思います。私たちの仕事を評価していただいたことで、新規の契約に繋がったクライアントも少なくはありません。会社の利益と言っても、会計処理の方法によっては利益に差が出てくることもあります。会社法、税法、会計諸規則の枠の中で、また経営者の意見を十分に尊重し、会社の実態を示す決算をすることが私どもの仕事であると思っています。事業計画書の作成、株式評価、財務調査・分析などの業務を通じて、企業価値を高めるのに役立つような仕事も行っています。事務所の方針としては、クライアントの規模、仕事の内容は様々ですが、常にクライアントの立場に立って物事を考え、業務を行うことです。これは、簡単なようで難しいことです。このことを私だけでなくスタッフにまで徹底させていることが、クライアントと長くお付き合いしていただいている理由のひとつだと思います。

アジアの玄関口として、真の国際都市を目指して

 クライアント企業は九州以外にもあるので、「九州や福岡の経済はどうですか、どんな業種の景気がいいですか、どんな会社がいいですか」と聞かれることがあります。しかし応えようがないのです。そんなに多くの企業を見ているわけではなく、また企業が置かれている環境はそれぞれ違うので、何とも言えないのです。しかし、この点は言えます。格差社会といいますが、個々の企業についても当てはまります。不況業種の中にあっても業績が伸びている企業もあれば、好況業種であっても赤字の企業はあるのです。今は、業種よりも企業によって差が出てきている時代だと思います。
その中で、例えば顧客への対応、物流の改善、技術や新製品の開発などを通して、企業の規模に関わりなく、会社あるいは経営者の質および姿勢が問われているのです。会社の立場に立ってサポートする私たちも例外ではありません。

 ところで、福岡という地についてですが、福岡に家を買ってここでずっと暮らしたいと転勤族の多くの人が語るように福岡は確かに便利で住み易い街です。しかし、アジアの玄関口として発展を目指している都市としてはどうでしょうか。福岡から中国やアジア諸国に投資する企業は多くありますが、福岡の企業に投資する外資は少ない、また海外からやってきて福岡をベースに世界に出て行くという企業はほとんどない。逆に優秀な人も成長する企業も、いずれ東京に出て行く。
これでは、成長する都市として世界的にも注目を集めているのに、もったいないと思います。例えば、国際都市にはあるはずの芸術や外国語の専門大学はなぜか福岡にはない、国際人や才能豊かな人が定着しない。このあたりを行政もわれわれも腰をすえて考えていく必要があるのではないでしょうか。
将来的には、福岡をベースに中国などアジア各地へ進出する企業もあれば、アジア各地から福岡に進出してくる企業もたくさん出てくると思います。このような国際化に対応できる幅広い教養とセンスを身につけ、この福岡という地域に貢献できればと考えています。

[プロフィール]
田中恵(たなか めぐみ)
田中恵公認会計士事務所
公認会計士・税理士

昭和30年生まれ、福岡県筑後市出身。鹿児島大学法文学部卒業。
大学を卒業した年に公認会計士第二次試験に合格し、その年、監査法人に入り会計監査業務に従
事。
昭和58年公認会計士登録。
平成6年監査法人を退職後、税理士登録、田中恵
公認会計士(税理士)事務所を開業。
会計、税務及びコンサルティングなどの業務を始める。


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