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【連載】建設・不動産業界の悲鳴、増えた倒産 改正建築基準法の波紋を振り返る(3)
特別取材
2008年6月12日 09:51

法改正後の現場の悲鳴
 
 日経BP社が、法改正直後の6月21日から実施した緊急アンケートに対し、今回の法改正によって「仕事に大きな影響がある」と答えた企業は約81%に上り、「多少は影響がある」と答えた約18%を加えると、実に約99%が何らかの影響を受けると感じていた。
 
 また、約5カ月後の11月6日-13日に行なったアンケートでも、「マイナスの影響がある」が約77%、「どちらかと言えばマイナスの影響がある」が約13%で、合わせて約90%の企業が経営に対するマイナス面を感じていた。さらには、会社を「辞めたいと思うことがたまにある」が約32%、「辞めたいと思うことがよくある」が約29%で、合わせて約61%の企業が閉塞感にさいなまれ、就業意欲が低下している現状が浮き彫りとなった。

 これほどの影響を及ぼした法改正は、過去に例を見ないだろう。「構造物の安全性を高めて住人の安全を守る」のが法改正の本来の目的であるはずなのに、なぜ申請後の変更修正を排除したのか理解できないという意見もあった。

 各団体の改正建築基準法の申請や対応方法については、それぞれの分野で解説や対処法、対策などを公開していたが、わずか数カ月間でそれらを何度も更新されたり、新たに追加されたりと大変な状況であった。99%の人が「法改正の影響を受ける」と答えたのもうなずける。

 当時、ある福岡の地場デベロッパーは、「今持っている土地で、07年内に販売するマンションを計画していましたが、設計事務所も怖くて確認申請が出せないと言いますし、ゼネコンもなかなか決まりません。当然、価格も決められませんから、半年から1年は着工が伸びるでしょう。そうなると、業績も見直さなければなりません」と困惑していた。見切り発車にはしたくない、その分のリスク負担を考えると計画の延長もやむを得ない、ということだった。

 また、あるゼネコン関係者も「設計段階できっちりと詰めていないと、途中の変更ということになれば、どれだけのロスが出るか、変更による負担はどこが持つのかなど、分からないというよりは計算できない部分が多すぎます。ある人はそれぐらいなら良いのではないかと言うし、別の人はその設計ではダメだと言う。はっきりした基準が決まっていません。このままでは死活問題になります」と嘆き、危機感を募らせていた。

つづく

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 (株)データマックスは、8月26日に1,000人規模のシンポジウムを開催いたします。講師は北川正恭・早稲田大学大学院教授(元三重県知事)、木下敏之(前佐賀市長)、青木茂・(株)青木茂建築工房主宰などを予定しております。北川氏には「生活者起点」の行政改革派の立場から、木下氏には地方行政に関わっていた立場から、青木氏には建築設計に携わっている立場から、それぞれ提言していただきます。

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