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特別取材

【連載】建設・不動産業界の悲鳴、増えた倒産 改正建築基準法の波紋を振り返る(4)
特別取材
2008年6月13日 09:35

国交省が円滑化を提示するも
 
 こうした混迷状態が続いたこともあり、国交省は07年9月25日にようやく、「改正建築基準法の円滑な施行に向けた当面の取組について」を発表し、円滑化を図る方針を打ち出した。

 しかし、ある建築士は「今までは審査機関が構造計算を1つ1つ丁寧に見ていなかったというのが正直なところです。ようやく厳格にみるということで動き出しました。ところが、国交省が9月25日に円滑化という方針を打ち出して、一方では厳格化、一方では円滑化ということでは対応ができずに困っています。法改正時点では、国交省の対応が遅れて細かな省令告示が出されていませんでした。出たのは6月20日時点です。人間だからミスがでるのは当然ですが、一言一句、構造にかかわらないところまで細かくチェックするような無駄な指導を、ただやらなくてはいけないというだけで、実施するところに問題があります。」と、ただ円滑化という方針だけでは問題が収まらないことを指摘していた。

 「無駄な指導」が行なわれていることについて、その建築士は「指定構造計算適合性判定機関(以下、適判)が設置されましたが、ここが条文どおり細かな審査をしています。審査する人に言わせれば、条文どおりやっているから厳格でも何でもないということになり、少しでも間違えれば訂正させられます。改正法の基準に合わせれば、申請がおりるのに7週間から2カ月くらいはゆうにかかります。行政が法改正による影響を考えないまま、机上で決めてしまったのです。法改正はもっと延長してもよかったのではないでしょうか。準備万端で法改正に臨めば、これほどの混乱はおきなかったのではないかと思います」と、適判における審査の過剰な緻密さこそが、かえって着工件数の減少を促したと指摘。

 また、ある鉄筋業者は「実際に今、構造計算事務所に頼んでもすぐに構造計算ができません。2カ月くらいはかかります。設備のメーカーや資材に関する資料がぼう大になります。しかし、それを全部つけてどうなのでしょうか。実際に資料の中身を検討するようなことを行政はしないのに。しかも、確認期限を設定するような条文は外されてしまっています。行政の勝手な判断だと思います。国交省はもっと現場の声を聞くべきです。」と、現場は対応に苦慮していることを語っていた。

つづく

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