アメリカ時期大統領候補として、民主党代表として、オバマ氏に決まった。オバマの勝利はアメリカ社会の影の部分が取りざたされ、人種の壁を乗り越えたように見えるが、依然、人種の心の境界線は幾重にもある。オバマが人種を棚上げして戦ってきたことを見れば、非常に人種は微妙な問題でもあることがわかる。
ケニヤ出身の父親を持ち、経済的にも恵まれてなかったオバマを、権力の中枢、ホワイトハウスの一歩手前まで押し上げた、米国民の民主主義の底力を見る気がする。かつてのケネデイのように、いつの日か、オバマに憧れて政治家を目指す若者が出てくるかも知れない。日本と違い、そのような政治家がいることに、米国が羨ましい。
積水ハウスには、若きリーダー安部が登場してきた。主に東北畑を歩んできた安部、いつの日か、和田会長(前社長)の目にとまり、遂に東北の田舎から、社長としての白羽の矢がたったのである。なぜ安部なのかは、和田にしかわからない。会社の社長は後継者を選ぶのが一番重要な仕事なのだ。後継者を間違えれば、会社の命運は衰退に向かうものだ。奥井(前会長)が和田を指名した事が失敗か成功か、後世の判断に任せよう。少なくとも、客観的に見て、田鍋、奥井時代より、社内の空気は殺伐としているし、業界No.1からNo.2になったことで、積水ハウスの影響力が落ちていることは否めないだろう。
安部は和田の傀儡政権で、単なるお飾りであれば、今までと何ら変わらないだろう。変革もなく、このまま少しずつ衰退していくことになるのではないか。しかし、安部が権力を握り、若者らしい、正義感と情熱、田鍋が培った人間愛の経営哲学を軸にした、いろいろな政策を打ち出せるなら、安部の株は上がるだろう。安部の登場にかんして、社員は人心一新を期待しているのである。本質は田鍋経営を信奉しているのではないだろうかと、そのような淡い期待を持っているのだが・・・。
積水ハウスの中には、金銭至上主義と思わせる風潮が跋扈し始め、信念を貫くことの尊さが粉砕され、卑怯をよしとしない雰囲気、人を思いやる心がなくなってきているのではないか?社員の価値感も行動基準も変えてしまってはいないだろうか。
田鍋が築いてきた家族的情愛運命協同体、等の積水ハウスの文化、伝統、倫理を壊しているように思う。安部への期待は大きい。権力を取るまでは、時の権力者に面従腹背をしなければならないだろうが、今こそオバマのように、チェンジ、を振りかざし、新しい経営理念を打ちたて、大胆に組織、人事、商品開発に着手すべきだろう。
積水ハウスを辞めて行く人達全てとは言わないが、この会社の悪口を言うひとが多いのは事実だ。いい辞め方をさせてないからだろう。住宅営業の基本である口コミが全く作用せず、逆宣伝になってしまっている。不満分子を多く作りすぎていないだろうか。安部社長に続け!という若者が積水ハウスの中に出てくるように、社員に夢と希望を与える経営者になって欲しいものだ。安部はトップセールスとして、たくさんのお客さんに夢と希望を実現するため、必死に仕事をして、成功してきたではないか。社員に対しても同じことを忘れてはならない。
野口孫子 (敬称略)
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