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【連載】建設・不動産業界の悲鳴、増えた倒産 改正建築基準法の波紋を振り返る(6)
特別取材
2008年6月17日 09:32

数値だけでは計り知れない影響

 全国における1~4号建築物の、昨年の1カ月あたりの確認交付件数は、4月~6月は前年比約6~10%減の5万件台で推移していた。しかし、6月20日の法改正以降、7月は36,552件で前年比39.3%減、8月は46,359件で前年比24.3%減、9月は42,414件で前年比27.5%減と、3カ月連続で大幅に落ち込んだ(【表1】を参照)。

 その後、9月25日に国交省が円滑化を打ち出し、10月は53,218件で前年比11.1%減、11月は51,545件で前年比9.6%減、12月は49,320件で前年比11.5%減と、9月までに比して減少率は縮小、年末にはわずかに持ち直したと見てもよいだろう。
 
 昨年11月27日に、第102回建築士事務所協会全国会長会議(主催:日事連)が開催された。その席で当時、国交省の小川富由・大臣官房審議官は、10月に構造計算適合性判定に回った確認申請が1,725件、適合性判定の合格件数が870件という数値をあげ、「今後はある程度、明るい見通しが立つのではないか」と期待を述べた。

 しかし、行政の見通しと現場の実態とはかなり違っていた。日事連の三栖邦博会長は、全国の事務所協会会長を対象とした「第2次建築確認に関する緊急アンケート調査結果」を報告した(調査期間:11月15日~22日、有効回答数:46)。確認申請の受付状況が「好転した」と回答した人が17%に対して、「停滞している」と回答した人が81%。適判が「本格的に動いている」と回答した人は17%に過ぎず、37%が「動いているとはいえない」と回答したことを明らかにした。

 4号建築物は、確認審査に適判が必要ではなく、その確認件数は、7月は26,228件で前年比34.5%減だったのに対し、8月は35,098件で前年比15.2%減、9月は31,838件で前年比18.9%減だったが、10月には38,231件で前年比4.0%減と、法改正前の水準に戻しており、たしかに改善されつつあったと言ってもおかしくはない。

 ところが1~3号建築物は適判が必要で、7月は9,924件で前年比49.6%減、8月は11,261件で前年比43.8%減、9月は10,576件で前年比45.2%減と、とても回復傾向にあるとは言えない状況であった。ただし、10月は14,987件で前年比25.2%減、適判合格件数が873件に増え、12月には15,986件で前年比17.6%減、適判合格件数は1,686件まで持ち直した。

 こうして数値だけ並べて見てみると、若干回復傾向にあったとも言える。しかし、件数だけでは計り知れない影響の爪跡を、建設・不動産業界および関連業界にまで深く刻み込んでおり、それが徐々に倒産というかたちで表面化していくことになった。

つづく

【イベント情報】官製不況に打ち克つ シンポジウム開催 (株)データマックス

 (株)データマックスは、8月26日に1,000人規模のシンポジウムを開催いたします。講師は北川正恭・早稲田大学大学院教授(元三重県知事)、木下敏之(前佐賀市長)、青木茂・(株)青木茂建築工房主宰などを予定しております。北川氏には「生活者起点」の行政改革派の立場から、木下氏には地方行政に関わっていた立場から、青木氏には建築設計に携わっている立場から、それぞれ提言していただきます。

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