ネットアイビーニュース

NET-IB NEWSネットアイビーニュース

サイト内検索


カテゴリで選ぶ
コンテンツで選ぶ
会社情報

流通

薬事法改正で価格競争始まるか?MrMax、トライアルなど参入へ (下) | 業界を読む
流通
2008年6月18日 09:26

魅力は高粗利

 ドラッグストアが最も神経をとがらせるのが、異業態の参入による値引き競争。競合の激しいドラッグ業界にあって、医薬品は例外的にメーカー希望価格がほぼ守られてきた。粗利益率はメーカーブランドだと40~50%、プライベートブランドだと50~60%といわれ、ドラッグの収益源になってきた。ドラッグストアは医薬品販売で稼いだ粗利を日用雑貨や化粧品、食品の値下げ原資に回すことで顧客の支持を広げてきた。医薬品が価格競争にさらされ出すと、ドラッグのビジネスモデルが成り立たなくなる恐れがある。

 大量仕入・大量販売でコストを引き下げ、低価格を武器に急成長を遂げているDSの動向はドラッグの最も気になるところ。DSの特売価格が一種の指標価格になり、コンビニやホームセンターに広がることを最も警戒する。高粗利商品だけに値引きの余地は大きく、風邪薬や胃腸薬などが集客の目玉に使われる可能性は高い。

 ドラッグストア業界では、異業態参入による競争激化に対応するため合従連衡が活発化している。九州では、昨年5月JR九州の子会社になったドラッグイレブンが4月、ココカラファインホールディングス傘下で関西が地盤のセガミメディクス(大阪市)と業務提携。同時にセガミが中心になっている大衆医薬品の共同仕入会社「WINドラッグ」に出資し、同社から商品供給を受けることになった。
 セガミと提携したのは、店舗運営などのノウハウを供与してもらうとともに、共同仕入によるコスト削減を図るため。ドラッグイレブンの年商は約400億円で、マツモトキヨシの1割強、コスモス薬品の4分の1強しかない。

 規模拡大へ向け、地域を越えて経営統合し全国チェーンを目指す動きが拡大している。ココカラファインHDは、関東地盤のセイジョーとセガミが今年4月経営統合して発足したもので、単純売上高合計は1,235億円と一挙に業界6位に浮上した。
 業界11位のアライドハーツ・ホールディングスは06年11月、関西地盤のライフォートと中部のジップドラッグが経営統合して発足したもの。昨年11月期決算で全国チェーンとして生き残りの条件とされる売上1,000億円の大台に乗った。

 今年初めには、CFSコーポレーションが調剤薬局最大手のアインファーマシーズとの経営統合を目指したものの、大株主のイオンの反対で失敗、かえってトップが退陣に追い込まれた。イオンは自社の主催する「イオン・ウエルシアストアーズ」を緩やかな連合体からドラッグの全国チェーンに脱皮させる構想を描いており、中核企業の一つであるCFSへの影響力を強めようとしている。

 業界ではマツキヨ、スギ薬局、サンドラッグなどの大手チェーンが地方のチェーンを傘下に収める大手主導の再編が本格化する兆しを見せている。GMS(総合スーパー)や家電、紳士服、スポーツ用品、ホームセンターなど他の業界で起きている大規模再編がドラッグに起きても不思議ではない。改正薬事法を機に異業態が参入し競争が激化すれば、そうした動きが加速するかもしれない。




chirashi@IB



※記事へのご意見はこちら

流通一覧
耳より情報
2012年10月30日 15:08
NET-IB NEWS メールマガジン 登録・解除
純広告用レクタングル

2012年流通特集号
純広告VT
純広告VT
純広告VT

IMPACT用レクタングル


MicroAdT用レクタングル