▼▽ 本日の記事・目次 ▽▼
◆01 高速道路中央分離帯に貨物軌道を
◆02 改革派前市長による希望の提言(4) 木下敏之前佐賀市長
何を優先するかー2
◆03 対アジア拠点空港としての北九州空港整備考 その53回
北九州商工会議所会頭・TOTO(株)会長 重渕雅敏氏(3)
■「東海道物流新幹線構想委員会」(委員長・武蔵工業大学中村英夫学長)が構想を発表
6月5日発表された同構想は、第二東名高速道路、新名神高速道路などの中央分離帯に線路を敷設し、東京―大阪間の物流専用鉄道「東海道物流新幹線(ハイウェイトレイン)」としようというもの。
同委員会によると、ハイウェイトレインの利用は大量輸送を可能にし、トラック輸送による渋滞なども避けられた上に、二酸化炭素の排出抑制にも貢献するとしている。
また、鉄道と高速道路の併用によって、列車からトラックへの積み替えも容易で、機動力を持った物流インフラとしても期待できるとしている。
その他、トラックドライバー不足対策・トラック事故抑制などの利点も上げている。
列車は5両一編成。最大5ユニットの連結を想定。東京〜大阪間を6時間30分程度で結ぶ。ターミナルは東京・大阪・名古屋のほか、数カ所。
総工費の試算は約1兆7700億円。1日当たり約20万tの取扱量を
想定している。
(レポート・清田進)
行政コラム・改革派前市長による希望の提言(4) 木下敏之前佐賀市長
《何を優先するか―2》
■どれから手をつけるか。いつまでにやるか。
では、どれから手をつけるか。いつまでにやるか。これを決断しなくてはなりません。特に困ったのが、使える職員が少なかったことでした。せいぜい全体の二割くらいでした。
法律で定められていた職員の勤務評定すら、行われていないような状況でしたので、どの職員が優秀であるかということもすぐにはわかりませんでした。ですから、同時並行でいくつもの課題に取り組むこともできません。しかも腹心である助役は、ある議員に嵌められてしまって、思うような人選もできませんでした。
どこから手をつけるか悩みに悩みましたが、まず、バブルの考え方に染まった事業によってもたらされる、税金の無駄遣いをとめることから手をつけることにしました。そして、バブル的な事業の見直しと、佐賀市役所の体質を人口減少の時代にあったものに改めることに目処がついた後に、本格的に産業振興に取り組むことにしました。
市長を三期12年やる予定でいたので、一期目はこれ、二期目はこれ、三期目でここまでという大きな方向性を定めていました。今、振り返って見て、この順番でよかったかどうかはわかりません。産業振興を先にすべきであったのかもしれませんが、私の決断はこのようなものでした。
なお、参考までに一期目で廃止したり大幅に見直したりしたものを表にしていますので、ご覧下さい。
勤務評定も行い職員数も減らす等の「行政改革」をすぐさま始めたかったのですが、自分の味方になる議員の数との関係で、行政改革を本格的に始めるのは二年後にすることにしました。
というのは、佐賀市議会で私の応援をしてくれるのは、民主党と自民党の中の新人のグループと一部の良識的な人たちでしたが、この方たちだけではとても過半数はいきません。社民党と公明党の議員が私の政策を支持してくれるのかどうかが、議会で予算や条例が可決されるかどうかの鍵でした。
バブル的な事業を止めることと同時に、行政改革も始めると、自民党の守旧派だけでなく社民党が敵に回ることになり、私の提出する議案はどれも否決されることになります。それで、全て手がついていないことを知りながら、本格的な行政改革に取り組む時期を遅らせることにしたのです。自治労の支持を得て当選した首長が、行革に本格的に取り組めない理由と似たようなものですが。
次回は、佐賀市営ガスの売却のお話などをしたいと思います。
つづく
★ 木下敏之前佐賀市長講演、「財政破綻を防ぐための体験的自治体経営論」
6月26日(木)福岡市内にて
〔詳細〕https://www.data-max.co.jp/2008/06/05/080605_kinoshita.pdf
120回連載★対アジア拠点空港としての北九州空港整備考 その53回
★☆” 躍動するアジアと北部九州都市圏 国際拠点空港としての空港整備を
北九州商工会議所会頭・TOTO(株)
代表取締役会長 重渕 雅敏 氏に聞く (3)
■高いポテンシャルを持つ北九州空港
聞き手/弊社代表 児玉直
児玉/
しかし、新空港建設となりますと、明日話がまとまっても開港までには15年、20年の時間がかかるということになります。
重渕/
その通りです。そこに北九州空港の役割があります。北九州空港は海上空港ですが、水深は7メートル程度で浅い所に建設しており、岩盤も強固という好立地です。
静かな内海面である周防灘に、関門海峡の浚渫土砂を埋め立て建設したことで1042億円という割安な予算ですみました。そのような北九州空港のことを「小さく産んで大きく育てる空港」と我々は言うのですが、文字通り2500メートル滑走路1本で小さくデビューしたわけです。
しかし、空港島は南北に4125メートルありますから、現滑走路を3000メートルに延ばせば、850人が乗れるエアバスA380を飛ばすことも、北米や欧州向けのジャンボ機を飛ばすことも可能になります。
滑走路をもう1本ということになれば、東西に900メートルの幅を持つ現在の空港島であれば、ターミナルを移動させるなどで可能ですし、永久に浚渫が必要な関門海峡の土砂を引き続き使いその幅を広げることも容易です。
これらが指摘するように「大きく育てる」ためのポテンシャルを北九州空港は十全に備えています。その上、漁業権の問題も開港前に全て片付いていますし、沖合3キロの立地ということから周辺への騒音被害の心配もない。
すぐにでもアジアに向けたゲートウエイとしての空港機能を、北部九州のどこかで実現しようとすれば、この恵まれた条件の北九州空港の拡充が理想ではないでしょうか。現在既に、24時間運用している空港であることも、アジアをはじめとした海外に向けての拠点空港としての要件を満たしています。
つづく(文・構成 清田進)
━ PR ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆MAXふくおか県政ニュースご高覧誠にありがとうございます。
ご意見・ご感想を左記メールにて受け付けております。https://www.data-max.co.jp/toi.htm
◆毎日更新(土・日・祝日を除く)で必読の新鮮な情報が目白押し!
福岡の企業情報サイトデータ・マックス『ネットIB』 https://www.data-max.co.jp/
◆「MAXふくおか県政ニュース」は、「ブレインメール」のシステムを使用し、配信中。
http://www.blaynmail.jp/news/topics/20070301.html
配信不要の方は、「配信不要・県政ニュース」とご記入し、下記アドレスまで。
webmaster@data-max.co.jp
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
※記事へのご意見はこちら