急進改革派 前佐賀市長の木下敏之です。
・・・・九州の行政革新度ランキング一位 佐賀市役所の改革・・・
■はじめに
私は2005年9月まで佐賀市の市長をしていた木下敏之といいます。現在、48歳。東京大学法学部を卒業した後、農林水産省に入り、1999年3月に39歳で佐賀市長に当選しました。当時、県庁所在地の市長として最年少でしたが、がちがちの保守地盤の佐賀で投票日の50日前に出馬表明した無名の民主党推薦候補が当選したことは大きな話題となりました。
その後、税収が200億円ほどの佐賀市において、無駄使いを減らし、ガス事業を33億円で売却するなどで収入を増し、300億円ほどの税金の節約をしました。
佐賀市が全国的に最も注目を集めたのは、「日経行政革新度ランキング」が98年度に全国で当時約700ある市の中で350位だったものが、2004年度13位、06年度10位と急上昇したことでした。
九州で約100ある市の中で福岡市などを抑えて第一位でした。
「えっ!佐賀県人の歩いた後は草も生えないといわれていたあの佐賀が?」と思われる方も多いと思いますが、当時は急進改革派市長として、日本で初めて、九州で初めてといった取り組みを連発し、テレビや新聞に取り上げられることがたびたびでした。
■改革は既得権益との戦い
改革は既得権益との戦いでもあります。談合防止に絡んで私の親族はヒットマンに二回も襲われました。
また、2005年10月の市長選挙においては、元市役所労働組合の幹部を行革反対の社民党が擁立し、それを談合防止反対など既得権益擁護の佐賀県自民党が推薦し、共産党までもが行革反対のためにこの候補を応援するという不思議な構図の選挙となりました。
そして、私は社民・自民・共産が応援する候補に敗れてしまいました。
その後、横浜市の中田市長から副市長候補として招請を受けました。中田市長が大統領として外政を主に担当し、役人を知り尽くしている行政経営の経験豊富な私が首相的な存在で内政を統括するという人口360万人の日本最大の市ならではの日本初の構想でしたが、横浜市議会と市役所幹部の反対でこの話は流れました。
■ やるべきことをやっていない自治体が数多くあります。
そして今、私は、省エネとITのベンチャー企業の経営に参画しながら、全国の自治体に行政の経営について講演やアドバイスをする仕事をしています。
佐賀市で行ったような基本的な行革すらしていない自治体がまだまだあります。また、民間企業の経営に携わってみて、稼ぐことを知らない役人の甘さや、全国の自治体があまり先を見て経営をしていないことなど自治体の経営について新たな視点から色々な問題点が見えてきました。
これから日本は人口の構成が大きく変わります。そしてその姿は、地域によって違いますが、あまり良い材料はありません。将来の子供たちに今と同じ豊かさを残していくためには、時間はあまりありませんが、私の6年半の佐賀市長の経験と、その後の民間経験から見た視点で、この厳しい時代に自治体がとるべき行政経営について幅広くお話させていただきます。次回は人口減少が自治体に及ぼす本当の影響をお話しいたします。
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