▼▽ 本日の記事・目次 ▽▼
▼01 なぜ起きる介護事故
事故報告書に見る介護崩壊
▼02 こども病院人工島移転再考
その6 「駐車場の狭さ」は「譲り合い」でカバーする
▼03 市長の週間予定表 (6月24日~6月27日)
続発する介護事故について、福岡市内にある特別養護老人ホームの2年間分の「事故報告書」を検証しているが、「死亡事故」は2年間で10件も起きていた。
刑事事件にまで発展したストレッチャーからの転落・死亡事故や、入浴時の溺水事故など、明らかに施設側職員の不注意などが原因と考えられる。背景にあるのが慢性的な人手不足であることは察せられるのだが、それだけで片付けられる問題ではない。
本社報道で始まった介護事故=介護崩壊の現状については、19日、地元紙も朝刊一面トップで扱い、社会面に解説記事を掲載している。新聞報道は介護保険3施設、即ち特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・介護療養型医療施設の5年間分の「事故報告書」を検証、事故82件で死亡は29件にのぼることや、事故内容について詳報した。
近年、介護保険料の問題にのみ注目が集まってきたきらいがあるが、被保険者である市民が受ける介護サービスが、本当に支出に見合うレベルのものかどうかを、厳しい目で見つめなおす時期ではないだろうか。
戦後、労苦を重ね地域社会を築き上げてくれたお年寄りの方々の最晩年。称えられるべきその最晩年を、あってはならない介護事故で奪っていいはずがない。取材する過程で、介護の現場の仕事がどれほど過酷であるか、ほんの一部分かもしれないが実例を挙げて示していただいている。一方、介護サービス施設を運営する社会福祉法人等の姿勢には疑問を感じるものが多い。そうした現実はあるにしろ、お年寄りの命が軽く扱われていることを否定することはできない。
取材班は、特別養護老人ホームの「事故報告書」2年間分に介護事故の典型例が集中していると判断、個別の検証を続ける。
パーキンソン病の入所者、放置され窒息死
事故報告書をご覧いただきたい。この事故は平成18年12月に起きた。入所者は75歳の男性、要介護度2とされるが、パーキンソン病であったことが読み取れる。パーキンソン病は、身体バランスをとり運動をコントロールする脳の大脳基底核に病変が起き、神経間に情報を伝えるドーパミンをつくる、黒質神経細胞が変性・消失するため発症する難病とされる。分かりやすく述べれば、脳が出す運動指令が伝わらなくなり、通常の動きができなくなるという病気で、原因は解明されていない。
症状は5段階に分類されているが、手足のふるえなどに始まり、動作緩慢、歩行困難とゆっくり進行し、日常生活の動作そのものができなくなるとされる。ドーパミンを補う薬や筋弛緩剤など、治療薬には有効なものがあるとされるが、投薬にあたっては、医師の指示を守ることはもちろん、慎重さが要求されるという。
パーキンソン病についてごく基礎的なことを認識した上で、事故についての検証を進めてみよう。そこには、難病を抱えた入所者を放置し、死亡させたという施設側の過失はもちろん、事故報告を受けた市役所側の「不作為」も見えてくる。
つづく
▼02 こども病院人工島移転再考
その6 「駐車場の狭さ」は「譲り合い」でカバーする
こども病院に関する「緊急対応性」や「こども達の生活」という要素は「非代替的」、つまり代わりのきかない要素である。だからこそ、利用者は、知恵を使い、涙ぐましい工夫をしながら、今のこども病院を使っている。
例えば、駐車場だ。移転を巡る論議のなかでも、推進派の論拠の一つが「駐車場不足」であった。市が昨年実施した市政アンケート調査のなかでも「施設に対する不満」という項目で、こども病院については、「駐車場が少ない」との答えが61.3%もあった。人工島に移転すれば駐車台数は600台になるという。
一見、この駐車場の問題については「広くないと困る」と思うかもしれない。ところが実態は全く逆なのだ。お子さんが心臓の病気でこども病院に通院している、あるお母さんによれば、「病院事業運営審議会で、水田先生(委員長・九大病院長)も『駐車場は広いほうがいい』とおっしゃっていましたが、心臓疾患のこども達は体力がないので、駐車場が広いと歩いて病棟までたどり着けないこともあるのです。それに、今は、手術を受けられる年齢が低年齢化しているので、頻繁に通う患者さんは小さいお子さんが多く、ベビーカーを使っている親御さん、それに車いすを使うような重度の患者さんは、駐車場が広いとかえって困ってしまいます。お天気が悪いときもありますし、小さなこどもを連れていればなおさらです。」
一般的な感覚では、駐車場は広ければ広いほどいいと考えがちだが、通院する当事者の感覚でいうと「広いと困る」のである。また、現在のこども病院でも、駐車場が満車で停められないという状況は、ほとんどないという。
「以前は、満車で停められないということが度々ありました。でも、それは、ヤフードームで野球やイベントがあるときに、心ない方がこども病院の駐車場を使っていたからでした。今は、その状況は改善されて、利用者だけが使えるようになっていまして、停められないということはないと思います。決して広くはないですが、長時間待ったということはありませんし、みんなで譲り合いながら使っています。公共交通機関を使えるときはできるだけ使いますし、こどもが歩ける場合は、駐車場のできるだけ奥にとめて、手前は重症の方が使えるようにしています。」
ドームの駐車場に停められず、代わりにこども病院の駐車場を利用していた市民がいたことは残念な話だが、ともかく「駐車場の狭さ」という要因はこのような「譲り合い」の工夫によって代替しているのである。(つづく)
日下部晃志
▼03 市長の週間予定表 (6月24日~6月27日)
市長の週間予定表
(平成20年6月24日~平成20年6月27日)
<24日>
10:00 ~ 定例記者会見 [記者会見室]
15:00 ~ 福岡アジア文化賞選考委員会 [西鉄グランドホテル]
16:00 ~ 福岡アジア文化賞記者発表 [西鉄グランドホテル]
<25日>
13:30 ~ 博多湾地方港湾審議会付託 [国際会議場]
13:15 ~ 博多湾地方港湾審議会答申受け [市長応接室]
<26日>
10:00 ~ 大学との定期交流会議 [西鉄グランドホテル]
13:30 ~ ダイハツ九州社長来訪 [市長応接室]
<27日>
14:00 ~ 福岡市農業委員会第1回総会 [15階講堂]
15:00 ~ 聞きたかけん [城南区樋井川]
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