何でも値上がりしている世の中であるが、マンション開発業界にも鋼材の値上がりが直撃している。昨年の改正基準法の施行により施工価格が上がっており、販売価格の値上げは避けられない状況である。
大型物件を例にあげると、昨年5月に完成した物件の、1戸当たりの建築単価は1,300万円、同年12月着工した物件は1,500万円。仕様は別にしても確実に値上がりしている。
ところが、あるマンション業者は、それらの値上がりを吸収したうえ販売価格を抑えたそうだ。完成在庫がだぶついている地域では、在庫所有会社は値引きせざるをえない状況だが、その値引き価格よりも安いとしている。
聞けば、飾りや作り付けの収納家具など、いろいろな物を徹底的に省いたそうだ。間取りもシンプルに、基本的なキッチンや洗面、浴室、トイレなどの質は落とさず、しかも全戸南西向きで3.5メートルのベランダ付。景色がいいので、全戸から見えるように工夫したそうだ。鉄鋼等の値上がりを吸収した価格でお客様に提供できることを、実証している。ちなみにゼネコンは地場大手である。
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