01◆「土砂降りだった」・・・実は晴天! 勘違いか虚偽か? 問われる福岡市長の資質
~市長公用車問題 疑惑拡大~
02◆何のための「事故報告書」? 原因究明に生かされず形骸化
介護崩壊の一因との指摘も
03◆市長定例会見 「市民説明会」への出席拒む吉田市長
~なぜ市民・患者家族への説明を避けるのか~
01◆「土砂降りだった」・・・実は晴天! 勘違いか虚偽か? 問われる福岡市長の資質
~市長公用車問題 疑惑拡大~
昨年12月4日、吉田宏福岡市長が女性2人を市長公用車に同乗させ、タクシー代わりに使用していた問題は、24日の市長定例会見で急展開した。本社は、市長の公用車使用について、「公務から公務への移動であり、公務遂行のための業務の一環として女性を乗せた。何の問題もない」とする市役所田中武敏秘書課長や「なにが悪いんだ」という吉田市長の発言に対し、公人としての自覚を欠くものとして批判を展開してきた。
その後、田中秘書課長が詳細を聞けとしていた中牟田健一元岩田屋社長に直接取材、12月4日の模様を聞いた。その折、中牟田氏自身が別の日に市長公用車で自宅まで送ってもらっていたと明言、市側の「公務遂行のため」とする論拠が崩壊したことを報じていた。
「土砂降り」だから同乗させた・・・中牟田氏
中牟田氏は取材に答えて、女性を同乗させたのは中牟田氏自身であるとした上で、その前提が「雨」だったからとしていた。中牟田氏の「雨」に関する発言は20分程度の話の中で、何度も繰り返された。
「ものすごい雨で・・・」
「土砂降りの雨だった」
「あんな雨の中・・」
「外はジャージャー降っていた」
「雨も降っていて」
要するに、雨が降っていたから、パーティに出席するため着飾っていた女性を、タクシーに乗ってくれとはいえなかったというもの。そのため、雨がどんなに激しいものだったかを熱心に説明されたのである。
「土砂降りだった」・・・吉田市長
24日の定例会見で、地元メディアの記者に、市長公用車に女性2人を乗せた12月4日の天候について聞かれた吉田市長は「そういえば『土砂降りの雨』だった」と中牟田氏と同じ表現を使用。息の合ったところを見せつけた。
「晴天です。降水量はゼロ」・・・気象台
本社取材班は、中牟田氏の話を聞いた折、女性に優しい市長なのかと、少しばかり共感する部分もあった。しかし、直後の気象台への確認でその感慨も吹き飛んでしまう。福岡管区気象台に何度確認しても、昨年12月4日の夜、吉田市長が公用車に女性を同乗させ、中央区平尾の和食店「なかむた」に向かった時間帯は、「晴天。降水量はゼロになっています。」というものだった。
つづく
02◆何のための「事故報告書」? 原因究明に生かされず形骸化
介護崩壊の一因との指摘も
パーキンソン病の患者でもある入所者の死亡事故を通して、介護事故の問題点を検証している。病状の記載がない事故報告書で、どれほどの事実関係が把握できるのかという問題提起をした。そして、市役所側がこの程度の報告に疑問を持たず、立ち入りはもちろん、事情を詳しく聞くことさえしていないことは、事故報告書の形骸化につながることも示唆した。
この事故は、入所者が救急搬送され、搬送先病院で死亡に至っているが、事故報告書によれば、事故翌日の零時20分という時間に、警察が事故現場の確認や第一発見者への聞き取りなどをおこなったとされる。これだけの事故であるにもかかわらず、施設側はなぜか警察への連絡を行なっていない。(警察への連絡欄は、「無」に丸印)
警察への連絡は搬送先病院によるものと思われる(医師法は異常死の場合、24時間以内の警察への届け出を義務付けている)。未明の5時前後に事故が起き、入所者が亡くなる23時過ぎまで、施設側は関係機関への連絡を怠ったのではないか・・・。事故当日の12月29日といえば年末、しかも金曜日であり、翌日からは市役所も休みに入る。そうしたことを考えれば、市役所や警察への早期の連絡が必要だったのではないだろうか。
事故内容は、入所者が紙パンツ1枚の状態で、ベッドの枠に首をかけて窒息したという、極めて痛ましいものである。パーキンソン病の入所者が未明の4時前後に紙パンツ1枚でベッドに座っている状態、それを20分以上放置したことは通常では考えられない。人手不足という問題とは別次元の話であろう。
取材班が事故報告書を読んだ限りでは、さまざまな疑問がわいてくる。当然市役所側も疑問に感じるはずなのだが、本件については事故報告書以外何も残されていないという。
公文書がないということは、公式な事故原因の究明はもちろん、事情を聞くことさえなかったということになる。役所の怠慢、不作為と言わざるを得ない。なんのための事故報告書なのかという問題がここでも明らかとなる。
事故報告書が出されても、市側がその記載内容に疑問符をつけることがなければ、施設側の問題は放置される可能性が残る。事故報告書の<再発防止に向けての今後の対応>欄には、今後のパーキンソン病の入所者への対応が3行記されているに過ぎない。それも、事故当日の11時からたったの5分間話し合いをしただけであることが記されている。何かの間違いではないかと疑いたくもなる。
役所の対応が甘いから、こうした杜撰な事故報告書が出され、本当の改善策がとられることなく事故を誘発するのではないだろうか。そうなるとまさに、役所の不作為が介護崩壊の一因という声も信憑性を帯びてくる。
つづく
03◆市長定例会見 「市民説明会」への出席拒む吉田市長
~なぜ市民・患者家族への説明を避けるのか~
24日午前10時より、市長の定例会見が行われた。
「市役所西側『ふれあい広場』ヒートアイランド対策実証実験及びクールアース・デー(7月7日)の対応について」として、全面タイル貼りの市役所西側広場に人工芝、天然芝、ドライミスト等を設置して、気温を下げる効果を測定することを発表した。(「クールアース・デー」とは、政府が進めるキャンペーンで7月7日の午後8時から10時の間には、官公庁、賛同する企業等が一斉消灯し、天の川を観ようという試み。)
質疑に入ったところ、記者団からは「市立病院のあり方に関する市民説明会」への質問が集中した。質疑の中で市長は、「5日、10日については私が出席する予定はない。(市のチームによる検討・検証、審議会の答申をふまえて)病院長、専門家による説明をやっていこうというのが、今回の説明会の趣旨、その後、私が出たほうがわかりやすいという情勢になれば、改めて機会を設けることもあるかもしれない」とし、来月5日(こども病院患者家族対象)と10日(一般市民対象)に予定されている、市立病院のあり方に関する説明会に出席しないことを明らかにした。
「出るのをいやがっているわけではないが、私が出ることによって理解が進む方向に行くのかどうかがわからないので」などと、市民への説明を回避したいともとれる姿勢に終始。さらに、「最終的な決断はいつまでに行うのか」との記者からの質問に対して「7月中にも判断したい」と回答したが、同月中に判断するということであれば、患者、利用者、市民がこども病院の人工島移転に対し、どのような思いを抱いているかを直接見聞きできる機会は限られてしまう。「聞きたかけん」路線に、時間的な矛盾を露呈した形となった。
これでは、既に移転場所に関する結論は出ていて、説明会は単に市民の意見を聞いておく「ガス抜きのための儀式」と勘ぐられても仕方がない。「人工島ありき」の結論が前提なら、仕事や病院に行く時間をやりくりして説明会に集まる、患者さんやこども達のお母さん方を裏切ることになってしまう。
言うまでもないが、市民も利用者も「最終決定者である市長」の説明を聞きたいのだ。
それは、「公約」という政治的決断に基づき、人工島事業の検証・検討を進め、その結果を軸にこども病院の移転先を決めると主張する吉田市長にこそ、全ての責任があるからに他ならない。ある患者家族の団体は、市長に出席するよう、要望書を出す可能性もあるという。真っ向から向き合うことが、政治責任を負った市長の使命である。
日下部晃志
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