▼▽ 本日の記事・目次 ▽▼
▼01 市長失格! 公用車問題に反省なし
晴天なのに「土砂降りだった」?
▼02 こども病院人工島移転再考
その7 「道理」がどちらにあるかは一目瞭然
▼01 市長失格! 公用車問題に反省なし
晴天なのに「土砂降りだった」?
直撃取材には無言のまま
中牟田健一元岩田屋社長、さらに吉田宏福岡市長が、市長公用車への女性同乗の前提としていた「土砂降りの雨」。実は晴天だったことが判明し、市民からも批判の声があがっている。
吉田市長は、定例会見という公式の場で「土砂降りだった」と発言した。しかし、当日が晴天である以上、作り話(つまり虚偽)か、別の日と勘違いしたかのどちらかということになる。公用車のタクシー代わり使用を正当化するため中牟田氏と話を合わせた結果、墓穴を掘ったという見方もあながち否定できない。別の日と勘違いをしたというなら、新たに公用車のタクシー代わり使用があったという可能性も出てくる。
気象台の記録と食い違うことに「気象台に聞いてもらうしかない」と突っぱねているが、これはお粗末というほかない。ホテル日航福岡だけが土砂降りの雨に見舞われるはずはないのである。本社記者は、念のため会見終了後、市長に「土砂降り」と発言されたが、気象台は晴天としており、別の日の記憶と間違っていないかを聞くが、全く答えようとしなかった。重ねて「答えられないということですね」と念を押したが、無言。動揺されているのかもしれないが、きちんと答えられないということが、全てを物語っているのではないだろうか。
市長公用車問題の顛末
ここで、市長公用車問題について簡単におさらいしておきたい。事の発端は昨年12月4日、ホテル日航福岡で開催されたフランス農事功労勲章授章者の祝賀会に出席した吉田宏市長が、ホテル玄関で市長公用車に女性2名を同乗させ、次の目的地に向かったというもの。
市秘書課に対し、当日の公務日程や同乗の事実について確認を求めたところ、ホテル日航福岡での公務の後、中央区平尾の「なかむた」で地元経済人との懇談会があり、その出席者を同乗させたと回答した。また、「なかむた」での会合は飲食をともなうものであったが、「公務」であるとした上で、詳しい話は懇談会の呼びかけをした中牟田健一元岩田屋社長に聞けとしていた。
本社取材に対し中牟田氏は、「土砂降りの雨」であったことを前提に、中牟田氏自身が市長公用車に女性2名を乗せたと明言、また、別の日には中牟田氏が同公用車で自宅まで送ってもらっていたことも明らかにしていた。
MAX市政ニュースでは、公費で運用される市長公用車に特定の個人を乗せることは、市長による便宜供与の可能性も生じること。公用車廃止を打ち出す自治体もあるなか、吉田市長が公用車をタクシー代わりに使用しておきながら、全く反省しないことなどについて問題提起してきた。もちろん、市秘書課長や市長室長の「何の問題もない」とする市民感覚欠如の姿勢も許されるものではないと考える。
さらに中央区平尾の「なかむた」での会合は、案内状もなし、公費支出もなしという事実から、私的飲食ではないかとの疑問を呈することで、市長の公務のあり方にも一石を投じた。まさに吉田市長の公人としての資格・資質が問われる問題であると判断したからに他ならない。
新事実発覚
中牟田氏1人なら勘違いで済むかもしれないが、24日の定例会見では吉田市長も昨年12月4日夜は「土砂降りの雨だった」と断言した。二人揃って「土砂降りの雨」と表現した以上、勘違いで済む話ではなくなったのである。結論から述べれば、中牟田氏や吉田市長の話は、天候の件が示すように、真実と判断することが困難となってきた。
本社取材班は、追加取材の結果、いくつかの新事実を把握している。まずは次回、昨年12月4日の女性同乗現場の一部始終を目撃した人物の、生々しい話を報じる。
つづく
▼02 こども病院人工島移転再考
その7 「道理」がどちらにあるかは一目瞭然
こども病院を利用する患者さん、ご家族は、狭い駐車場であっても、お互い少しずつ「譲り合い」をしながら、利用してきた。患者さん達の譲り合い、思いやりの心、いろんなものが積み重なって運営されているのがこども病院なのだ。
「狭いし、老朽化しているので、広くて、きれいで、景色のいいところに移転すればいいではないか」という単純な発想でことを処してしまっていいのだろうか。
もう少し当事者の意見を聞いてみよう。
「こども病院にこどもが運ばれたときに、景色をみてないし、部屋が明るいとか暗いとか、狭いとか広いとか、病院の状況についてはそもそも頭にありません。
たしかに、4人部屋で寝泊まりすると、1畳分ぐらいのスペースしかありませんし、あとで考えると窮屈だったなと思ったこともありましたが、実際こどもの容態が大変なときはそんなことは考えもしません。
『自由か不自由か』と問われれば、それは確かに不自由です。でも、こども病院を利用する親としての目的は、『快適さ』ではありません。『何とかこどもの命を救って欲しい、病気を治して欲しい、楽にして欲しい』ということが目的なのです。
市が移転の理由として言っている『老朽化・狭隘化』という理屈は、あくまで外からみた必要性であって、内からみると、案外どうでもいいことです。
広くてきれいにこしたことはないですが、それで、こどもの命が救えなくなるのなら、それは本末転倒です。こういう患者・家族の思いは、病院関係者、市の担当者にも非公式には伝えているのですが・・・なかなか耳を傾けていただけませんね」
市の考えと当事者の考え、「道理」がどちらにあるかは一目瞭然だろう。ちなみに、この道理を公式に伝える場はこれまでなかった。
昨年、市が行った「アイランドシティ整備事業及び市立病院統合移転事業に関する検討・検証」、そして先だって答申が出された「福岡市病院事業運営審議会」においても、患者の家族からのヒアリングすら行われていないことを考えれば、市はこの道理が理解できないのではなく、あえて耳を塞いでいるとしか思えないのである。
日下部晃志
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