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積水ハウス100周年を目指して(52)積水ハウス100年への課題~2~ | 愛する積水シリーズ
連載コラム
2008年6月26日 10:27

経営破綻した英会話学校「NOVA」の社長が、社員の厚生年金積立を流用したことを受け、昨日の読売新聞のコラムに山本周五郎の小説「さぶ」の一節「どんなに賢くっても、人間自分の背中を見ることができないんだからね」が紹介されていた。鏡を使えば背中を見ることが出来る。世の中の経営者には、耳の痛い諌言を言ってくれる部下こそが鏡、自分の背中を見せてくれるのである。

積水ハウスについては、サウナ、茶室など常軌を逸した社長室といい、和田会長の背中を映す鏡(部下)はいなかったのであろう。横領など次元の低い話しはないだろうが、役員、主要部長などの取り巻きの人達がイエスマンで固められていることをみれば、和田に対しては部下からの諌言もないだろう。

自分が1番正しいとして経営決断をしても、そのまま間違った経営方針を実行してしまい、ブレーキもかからないまま、暴走の危険性を有していると思う。これからは積水ハウスの未来のため、裸の王様になった和田会長自身の背中を見せるため、積水ハウスへの誇りを持っている社員がいかに鏡の役目をはたせるかにかかっているように思う。しかし、そのような人は、主要ボストからはずされているため、非常に難しいかもしれない。積水ハウスを愛するなら、勇気を持ち正義を貫く気概のある社員が増えることを期待したい。

社員をやる気にさせる経営者の出現が待たれる。実質上の創業者、田鍋元社長にたいするように、感謝の涙を流させる人、逆に怒りの涙を流させる人、経営者にもいろいろである。折しも時代は先行き不透明の時代。これほど経営者の力量、先見の明を必要としている時代はないだろう。積水ハウス100周年を目指すためには、リーダーの先見性が最も重要な要素であると思う。

野口孫子(敬称略)


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