この国はマスコミに踊らされ過ぎのようである。マスコミは常に情報の中心である必然性に駆られ、日替わり定食のように変化をもたらしていく。不景気で、国内の鬱憤の鉾先を戦争などにすり変えるどこかの国の首領となんら変わりなく、その戦略に迎合していくのである。環境問題については、これまでの「破壊から再生」目線とは異なり、地球の問題に発展している。さてその目線はどこにあるのか。
環境産業の新たなる育成と保護について
産業と環境問題をいち早く両立させている国がドイツである。既に産業を88に分類、国を上げて企業支援している。太陽光発電装置など、日本が得意とする分野でも、設置数では既にドイツが上回っており、風力発電なども先進国である。国の全面的なバックアップで、世界に向けて一大産業にする計画であり、地球規模の温暖化防止にも貢献できる産業の育成しようとしている。一般住宅においても、95年以降に建てられた建物は、暖房用エネルギーを30%削減するよう義務付けられているほどである。
ドイツとの環境意識の差
10年前のTV報道番組で、ドイツと日本の環境問題への意識の差が流されていた。ソニー製品がドイツに輸出される際、ドイツに陸揚げされ、その場所で緩衝材である発泡スチロールが全部取り除かれ、紙の緩衝材に変えられていた。ドイツ国内では10年以上前から既に発泡スチロールによる緩衝材の使用は禁止されていたのである。当然紙の緩衝材はリサイクルされる。1979年には世界に先駆け、エコマークのブルーエンジェルが当時の環境大臣により提唱され採用された。ちなみに現在では、基準を満たす国内外の3700品目以上にこのマークが付与されている。
日本はというと、過去ダイオキシンの問題から大型焼却施設が各地につくられた。国の大盤振る舞いもあり、人口増もないところに大型施設が設けられたことから焼却ゴミ不足が発生した。こともあろうに「ボイラーは燃やし続ける必要性があるから」との理由で、重油を燃やしている自治体組合もあるという。馬鹿げた話である。
大手製紙業界の紙質(古紙未使用)問題も、大手製紙会社が広告主であることから、マスコミの追求は通り一遍等で終わってしまった。しかも1社が偽装を報告したら、他社も追随して「業界みんなやっていました」とは、あまりにも国民を馬鹿にしている。国民や国を欺いたのだから、莫大な罰金を課せ、その資金を環境技術支援の基金にすべきである。 (つづく)
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