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【特別取材】ドバイ産業視察 現地レポート(4) (株)データマックス
特別取材
2008年6月24日 12:00

 現ドバイ首長の行動原理に"Build, and they will come"(建てれば後からついてくる)という言葉がある。

 もともとドバイという都市の起源は、漁業や真珠の輸出を主産業とする小さな漁村であった。この地に、アブダビの首長ハヒヤーン家と、同じバニー=ヤース部族のマクトゥーム家が、1830年代にアブダビから移住したのが始まり。その後、保護国として統治を担っていたイギリスの意向を含め、歴代の首長の推進をもとに自由貿易の政策を採ったことで、周辺地域の商人達の拠点となり、中継貿易港としての色合いを濃くしてきたのである。

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 20世紀も半ばに迫った頃、この地を近代的な都市にすることを夢見た前首長・シェイク・ラーシド・ビン・サイード・アール・マクトゥーム氏の推進により、1959年のクウェートからの借金をもとにして、社会資本の近代化が図られていった。また1966年の海上油田の発見はこの動きに大きな力を与え、1981年には郊外での大規模な経済特区・自由貿易港(ジュベル・アリ・フリーゾーン)の開設と、それを繋ぐ高速道路の建設が現在のドバイの繁栄の礎となった。

 21世紀に入る頃には、従来からの近代化の波を経て、中東における貿易・商業の最大の中心地と呼ばれるまでのメガロポリスに変貌し、経済の石油依存率は半分以下に減じ、GDPの伸びは30倍に達するなど、「中世から近代への急変」との表現を持って語られる激変ぶりを見せてきた。また2004年の後半から続く原油高は、その発展を更に後押しし、2005年度の経済成長率は16%に達し、総数140万の民の都市となったドバイは、摩天楼の連なる都市国家として中東でも随一の繁栄を誇っている。

 産業視察ツアー一行は、ドバイの繁栄を具現化してきた政府(王族)系企業の中核で、現首長・シェイク・モハメド・ビン・ラシード・アール・アクトゥーム氏を頂点とするナキール社(Nakheel)を訪問した。「海のナキール」として知られる同社は、椰子の木の形をした埋立地区「パーム・ジュメイラ」や、世界地図に模して造られた埋立地「ザ・ワールド」の不動産開発を行ってきた。事業資金が4兆円とも言われる同社には、世界中から優秀なブレーンが集まっており、今回のツアー一行を対応してくれた中田氏も、三井住友建設を経てナキール社の取締役に就任している。

 アラビア語で「美しい椰子の木」と呼ばれる「パーム・ジュメイラ」は、70kmもの海岸線を作り出した人口島で、その上に住居、ホテル、商業施設、モノレール、高速道路、ヨットハーバーなどを揃えた一大リゾート地区である。ナキール社の広報によれば、向こう3~4年の同地区でのホテルゲストは1日に25,000人、その他の訪問者数が1日あたり20,000人を見込んでいるという。ツアー一行が直径7キロに及ぶ同地区へ車で乗り入れた際には、2008年内の完成に向けてそれぞれのインフラ整備や施設の建設が急ピッチで行われており、集合住宅やモノレールの建設では日本の大手ゼネコンの施行物件も見られた。全ての物件が海岸線に面する居住地区の分譲に関しては5年前の販売開始時に72時間で完売し、現在それらの不動産は約5倍もの価格で取引されているという。(つづく)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  

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