建売住宅販売の(株)フォルムが、破産手続開始申し立ての準備に入った。「ベルザ」及び「ルミーノ」のブランド名で、4LDKのファミリータイプの戸建住宅を中心に、神奈川県内や東京都内で販売していた会社である。2007年10月期には販売棟数230棟、年商131億8,261万円と過去最高の実績を残していたが、同年6月20日に施行された改正建築基準法により建設業界を取り巻く環境は一変。かねてから金融依存度が高かった同社は、新たな資金調達が困難となり、今回の措置となった。
2005年の構造計算書偽装問題(姉歯事件、耐震偽造)を受けて2006年に改正建築基準法が成立され、翌年6月20日に施行となった。その直後より多くの建築確認申請が滞り、住宅着工数は激減している。2007年の新設住宅着工戸数は前年比17.8%減の106万741戸。5年ぶりの減少で、これは1967年(99万1158戸)以来の低水準ということである(国土交通省の建築着工統計調査報告より)。
「改正」されたはずの「建築基準法」だが、実は実務者の意見はまったく反映されておらず、多くの建築業者がこのような局面にさらされることは、施行直後から多くの関係者が予言していた。まだまだ建築業界の苦難は続く・・・。