製パン業界のガリバー山崎パンの製品に縫い針が入れられていた事件で、容疑者は元社員であることが発覚した。無差別テロでなく、山崎パンの製品ばかりを狙ったものだった。逮捕された山崎弘容疑者は約10年前まで山崎パンに勤務していた。10年後の犯罪発覚は犯人がよほどの粘着質か、強い恨みをもっていたかをうかがわせるものだ。
注目すべきは「上司に相談したが何もやってくれなかった」と供述していることだ。もし、事実とすると危機管理の甘さを指摘されても仕方ないだろう。いかに衛生管理を徹底しようともパンほどテロに防備困難な商品はない。一般企業がセクハラやいじめあるいは内部告発で生じる損失に本気で対策を取っている中で、業界最大手の脇の甘さを白日の下に晒してしまった。
今後、同様の事件の防御のためにもリーディングカンパニーの意気込みを示して欲しい。