吉田宏福岡市長、市秘書課長ともに市長公用車に女性2人を同乗させ、タクシー代わりに使ったことについて「何が問題なんだ」「全く問題ない」と、開き直りとも取れる態度に終始してきた。
その論拠は、ホテル日航福岡で行なわれた、「シュードル・ニコラ氏のフランス農事功労勲章授章祝賀会」、中央区平尾・なかむた での「地元経済人との懇談会」がともに「公務」であり、女性を同乗させたのは、公務と公務の間の「公務を遂行するための業務の一環」だからというものだった。
しかし、市秘書課長から言われたとおり中牟田健一元岩田屋社長に取材したところ、あっさりとその論拠が崩れ去った。
なんと、問題の12月4日とは別の日に、中牟田氏自身が吉田市長から誘われ市長公用車で自宅まで送ってもらっていたというのである。
もちろん、市長が帰宅するための公用車同乗は、公務と公務の間の「公務を遂行するための業務」とはいえないだろう。
市長公用車のタクシー代わり使用が常態化していた可能性を指摘する関係者も現れている。
さらに、中牟田氏の話を聞けば、中央区平尾・なかむた での飲食は、極めて私的なものとしか言いようがない。
・「食事かたがたフランスのマスコミの方と話をしませんか。」
・「パーティに来て、もし食事ができなかったら、こういうの(平尾の飲食)があるから顔出してくれませんか」
こうした、中牟田氏が市長に誘いをかけたときの言葉こそが「口頭での案内」であろう。
市秘書課が「口頭で案内を受けた」と言ってきたその内容は、「地元経済人との懇談」とはいささか趣が異なる。
フランス人記者との飲食・会話を目的として市長を招いたのなら「地元経済人との懇談」というより「フランス・マスコミ人との懇親」の方が的を射ていただろう。
あるいは、「食事ができなかった」からパーティ後にこうした飲食の場を設けたのであれば、それはフランス人記者との懇談を名目にした単なる「打ち上げ」に過ぎない。
それにしても、当のフランス人記者について、フランスのなんというメディアの記者か聞くと、中牟田氏は「知らない」という。会場で出会ったばかりの記者だったというのだが、事前に市長を誘う目的が「フランスのマスコミの方との懇談」だった割には、杜撰な「公務」の設定というしかない。
中牟田氏は、誰か分からない相手と市長を懇談させようとしたことになる。しかも、そのフランス人記者が、いまだにどこの記者だったか分からないとは理解に苦しむ。名刺交換もしなかったのだろうか・・・。
これでは市役所側が「公務」を印象付けるため、無理にタイトルをつけたといわれても仕方あるまい。
つづく