5月12日に発生した中国・四川大地震。死者が数万人規模となり、大問題となっているが、今回の地震で大きな被害が起きているのが、養豚農家である。
四川省では暫定的な統計で、中国の豚肉出荷量の1%にあたる79万頭の豚が死亡。死亡を含む被害に遭った豚が全体の約5%の365万7,500頭もおり、被害はかなり深刻である。これにより豚肉価格が大幅に上昇するという噂が飛び交っているが、現在のところはまだ大きな混乱はないものの、余談の許さぬ状況が続いている。
このような中、福岡県の名物に対する懸念が新に生まれてきている。福岡といえば、トンコツラーメンが有名である。文字通り豚の骨をダシに使い、肉をチャーシュー等の具にしているが、今回の地震により原材料の確保が困難になり、現状の安価な価格での提供が難しくなるということが不安視されている。
更には、昨年から続く小麦相場の高騰によるものも大きい。県内のラーメン店は昨今の小麦の価格が高騰していることを受けて、現在、小額ではあるが、各店舗、これを機に値上げに踏み込んでいる。
福岡県のラーメンの相場は一杯約400円と首都圏と比べ、倍近く安い。だが、このままではどれだけ値上げするのかはわからない。早い、美味い、そして、安い、じゃなければ福岡のラーメンではないと考える。そう考えると、四川の大地震も決して他人事ではない。