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特別取材

おいしい野菜をみなさまへ 新しい栽培方法に挑戦 エスジーグリーンハウス(株) | 企業クローズアップ
特別取材
2008年6月10日 16:22

北九州市若松区響地区は「エコタウン」と呼ばれている。「あらゆる廃棄物を他の産業分野の原料として活用し、最終的に廃棄物をゼロにすること(ゼロ・エミッション)」を目指し、資源循環型社会の構築を図る事業を行なう企業が多数立地しているためだ。そのなかに、野菜の水耕栽培事業を行なうエスジーグリーンハウス(株)がある。西部ガスグループの企業として、安全で豊かな食生活のお手伝いをしたいとの思いから設立された同社を紹介してみよう。

COMPANY INFORMATION
代 表:田和 政行
所在地:北九州市若松区響町1-26-3
設 立:2007年4月
業 種:農作物の栽培・販売
TEL:093-752-1008

食の安全を意識

 エスジーグリーンハウス(株)は、2007年4月に農産物の栽培・販売を目的に西部ガス(株)の100%子会社として設立された。主な栽培品種はリーフレタスで、無農薬水耕栽培が行なわれている。
 食の安全が叫ばれる今日、親会社である西部ガスはガスを提供することで食生活を支えてきたが、実際に安全な野菜を栽培することで、豊かで安全な食文化を育てることを設立目的としている。野菜は天候・気候に非常に左右されやすく、季節によって値段が乱高下することが悩みの種であり、年間を通じて品質、値段、そして安定した出荷数で野菜を提供するため、新たな水耕栽培方法を選択した。

綺麗な水が流れる栽培方法

 栽培方法は、土の代わりにバーミキュライトが入ったポットに種をまき、温度と湿度を一定にした発芽室に入れ、苗の生育にばらつきがでないように同じタイミングで発芽させる。発芽した苗は、栄養豊富な水が流れるプールへ移動。苗が大きくなるにつれて、パネルを一方向に移動させる。栽培期間の中間で、品質向上のため、収穫を見込める苗だけを手作業で選別。種を蒔いてから45日後に収穫となる。現状の施設では、1日に収穫できる量はおよそ6,000株。ハウス内の環境を一定に保っているので、収穫量は1年を通じて安定している。収穫後は、すぐにフィルムで密封包装しているため、野菜の日持ち日数が格段に上がる。 
 水が流れる栽培プールでは、水に溶けた養分がプール内一面に張られており、タンクのなかの養液はポンプによって吸い上げられ、栽培プールへ。野菜が必要とする養分を吸収し、タンクに戻り、不足した栄養分はタンク内で補給。まったく水を無駄にしない循環システムである。
 ハウス内の温度、湿度、水温、日照は24時間365日体制で見守られ、最適な栽培環境をコンピュータで自動制御している。昼間は気化熱を利用した冷却システム、夜は天然ガスを利用したGHP(ガスヒートポンプ)で調整。太陽の光があまりにも強すぎる場合、2重の遮光カーテンが自動的に閉じる仕組み。また、太陽の光が弱いときには、補光ランプが点灯する仕組みとなっている。

安全な食に向けて

 この栽培方法は、「安全な食」にこだわる消費者の目が厳しくなっており、「今後ますます必要とされていくことが期待できる」と同社の津村管理部長。07年4月に会社を設立し、7月に初出荷を迎えたが、まだまだ解決すべき問題点がある。それは、ハード面となる水耕栽培装置よりもソフト面である。
 ハウス内の温度、湿度、水温の管理は実験データを基に設定しているが、より良いものを栽培するためには実際にやってみないと結果の判断が難しい。今はまだ試行錯誤の段階にあるが、実際に消費者や納入先業者からは非常に好評である。無農薬栽培のため安全性が確保されており、何よりも「おいしい」と評判だ。とくに野菜嫌いの子供が、同社のレタスを好んで食べるようになったという連絡をもらったこともあったそうだ。
 また、同社のビニールハウス内で働く人たちは、子育てが一段落した方たちが中心で、すべて地元の人であり、地域に対しても貢献している。
 終末施設が大部分を占める廃棄物の再利用地区において、新たな命を咲かせる同社は、北九州エコタウンでも注目の企業である。まだ始動したばかりではあるが、この水耕栽培装置はリーフレタス以外の野菜栽培も可能であり、今後健闘していくことが期待されている。

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