昨年12月4日、吉田宏福岡市長が女性2人を市長公用車に同乗させ、タクシー代わりに使用していた問題は、24日の市長定例会見で急展開した。本社は、市長の公用車使用について、「公務から公務への移動であり、公務遂行のための業務の一環として女性を乗せた。何の問題もない」とする市役所田中武敏秘書課長や「なにが悪いんだ」という吉田市長の発言に対し、公人としての自覚を欠くものとして批判を展開してきた。
その後、田中秘書課長が詳細を聞けとしていた中牟田健一元岩田屋社長に直接取材、12月4日の模様を聞いた。その折、中牟田氏自身が別の日に市長公用車で自宅まで送ってもらっていたと明言、市側の「公務遂行のため」とする論拠が崩壊したことを報じていた。
「土砂降り」だから同乗させた・・・中牟田氏
中牟田氏は取材に答えて、女性を同乗させたのは中牟田氏自身であるとした上で、その前提が「雨」だったからとしていた。中牟田氏の「雨」に関する発言は20分程度の話の中で、何度も繰り返された。
「ものすごい雨で・・・」
「土砂降りの雨だった」
「あんな雨の中・・」
「外はジャージャー降っていた」
「雨も降っていて」
要するに、雨が降っていたから、パーティに出席するため着飾っていた女性を、タクシーに乗ってくれとはいえなかったというもの。そのため、雨がどんなに激しいものだったかを熱心に説明されたのである。
「土砂降りだった」・・・吉田市長
24日の定例会見で、地元メディアの記者に、市長公用車に女性2人を乗せた12月4日の天候について聞かれた吉田市長は「そういえば『土砂降りの雨』だった」と中牟田氏と同じ表現を使用。息の合ったところを見せつけた。
「晴天です。降水量はゼロ」・・・気象台
本社取材班は、中牟田氏の話を聞いた折、女性に優しい市長なのかと、少しばかり共感する部分もあった。しかし、直後の気象台への確認でその感慨も吹き飛んでしまう。福岡管区気象台に何度確認しても、昨年12月4日の夜、吉田市長が公用車に女性を同乗させ、中央区平尾の和食店「なかむた」に向かった時間帯は、「晴天。降水量はゼロになっています。」というものだった。
つづく