軋轢が生んだ加盟店との対等な緊張関係
加盟店引き抜き合戦中に開催されたプレナス側の説明会で、ある加盟店からプレナスの財務内容へのクレームがついた。
実際は弱みを指摘されるような内容ではない。08年2月期の売上高は1225億円。経常利益116億円。当期利益は47億円。負債・純資産合計は、782億円。そのうち純資産合計は596億円。自己資本比率は76.3%。上場企業においてもまれに見る強固な財務体質である。にも関わらず加盟店が噛み付いたのは、あまりに内容が良すぎるからである。
ほぼ競合がないに等しい九州の持ち帰り弁当業界では「逆らえば即退会」という空気があったため、「店舗の機械の故障で業者を呼ぶにも本部経由で書類の手数料を取られる。」「特別価格キャンペーンにおいては本部が負担してくれるのはわずか。キャンペーン品の値引きはそのまま加盟店の負担になる」というような条件下でも本部にたいして意見できる雰囲気ではなかった。
しかし、「わずかでも加盟店の利益を損なう行為を行なえば、いつでも総本部に移籍する」という切り札を加盟店側が持ち、状況は一変。その説明会では「内部留保を全部加盟店に吐き出して欲しい」という強気の発言があったとされる。内部留保が約600億円に登っているというのだ。
「なでしこジャパン」の応援もさることながら、今後は、顧客と直接接するなでしこ達の支援を期待したい。