5月の全国の着工件数は、90,804戸で前年同月比△6.5%となり、11ヶ月連続して前年同月比割れとなった。
内訳は戸建持家が27,194戸と前年比△5.7%減、分譲戸建が9,552戸の△12.8%減、賃貸マンション・アパートが37,733戸の△8.6%減、唯一分譲マンションだけが15459戸の4.0%とプラスに転じている。
福岡ではこれまでの反動か、本格的な回復かは別にして、5,133戸、前年比34.3%と大幅な上昇となっている。全ての指標がプラスに転じ、中でも分譲マンションが1,424戸と、同256.9%増の大幅増となっている。また賃貸マンションも2613戸と9.8%増。
マンションデベも着工してから竣工まで1年~2年かかることから、現状の分譲マンションの過剰在庫はその間に解消されると予想しているものと思われる。
分譲マンションはいくら過剰在庫があろうと総合的な利便性及び取り巻く環境と価格で決定されており、デベも着工しなければ売ることもできないからだろう、状況無視で着工に入る業者もいる。
既に完成在庫は値引き合戦が始まっており、福岡市東区千早で大型高層マンションの着工に入った栄泉不動産などでは販売価格を決めかねているところだ。当然原材料の値上げで建築コストは大幅上昇している。
福岡の分譲マンションの今回の増加は一時的なもので、デベが2社破綻するなどかなり深刻な領域に達しているのが現実である。
なお、5月の着工件数の県別は、佐賀県386戸△21.5%、長崎県401戸△38.3%、熊本県1,056戸△31.0%、大分県813戸△17.8%、宮崎県460戸△32.4%、鹿児島県1,214戸、33.4%増。沖縄除く九州全域では9,463戸4.3%増と福岡・鹿児島が牽引した数値となっている。
完成している分譲マンションは、値引きもあっており、現在の価格で購入できるのは値上がり続ける原材料から考えても最後となろう。
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