総務省は、株式会社CROSS FM〔代表取締役社長 鵜木有子〕から無線局免許承継申請のあった株式会社エフエム九州〔代表取締役社長 山本 綱夫〕所属の超短波放送局5局の免許人の地位の承継について、6月23日許可し、本日7月1日から新しい体制でCROSS FMの放送が始まった。
株式会社エフエム九州は約6億円の債務を抱え、自力での経営再建が困難になっていた。株式会社CROSS FMは、その受け皿会社となるべく、東京の投資会社ネクスト・キャピタル・パートナーズ(以下「NCP社」とする。)により2008年4月に設立された。しかし、NCP社自体は法人の性格から放送持株会社となり得ないため、NCP社以外からも出資を受けている。
株式会社エフエム九州の平成20年3月決算は下記のとおりである。
http://www.crossfm.co.jp/corp/kesan_h19nendo.pdf
平成20年3月決算だけを見るとエフエム九州も、営業収益609,541千円、営業費用624,409千円、営業赤字は14,868千円とかなり収支は改善されていたが、累積債務が大きく自力再建を諦めた模様。
ここで比較のため、老舗の地元局エフエム福岡の決算も添付する。
http://fmfukuoka.co.jp/company/finance/20080623.pdf
エフエム九州と比べてメディアの多様化が進む以前に設立されていたエフエム福岡は、利益剰余金が54億を超える優良会社である。
累積債務から解放され新生CROSS FMが、インターネットや携帯電話など更に新しいメディアの伸びが著しいなかで、ラジオビジネスをうまく軌道に乗せることができるかどうか、新しい経営陣の力が問われる。
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