▼01 市民不在! こどもの命 政争の具に
用地4ha案 議会関係者も「闇交渉」認める
▼02 エレベーターに広告お目見え
財政再建に向けアイデアを
▼03 「介護料金が割引になります」
訪問詐欺が博多で続出!
▼04 こども病院人工島移転再考 その11
「周産期医療の整備・強化」が必要な理由
▼05 市長の週間予定表
▼01 市民不在! こどもの命 政争の具に
用地4ha案 議会関係者も「闇交渉」認める
昨日報じたこども病院人工島移転問題の水面下での交渉は、関係者の間でひそかに進められていた。まさに「闇交渉」である。
山崎前市長時代に決まった市民病院・こども病院の統合移転案では、人工島の用地取得面積が5ヘクタールとなっていた。これに対し吉田市政の人工島事業「検証・検討」の結果は、こども病院だけを人工島に移転させ、取得用地を3ヘクタールにとどめるというもの。
しかし、あくまでも統合移転にこだわる自民・みらい福岡などの保守系会派にとっては、単独移転だけを認めることはできなかった。9月議会で単独移転案を否決し、仕切り直しに持ち込むとの観測も流れるなか、早くから「一部議員が市側と裏交渉」との情報が飛び交っていた。
議員と市の裏交渉
本社取材班は先月、複数の市関係者による次のような話をつかんでいた。
「3ヘクタールと5ヘクタールの間を取った形の4ヘクタール案が進められている。」
「大物議員と市側の人間が交渉し、まず、こども病院だけを移転させる。これで吉田市長の顔が立つ。次に、将来、同一独法(市の計画では、1つの独立行政法人で市民病院とこども病院を運営することとしている)傘下の市民病院を人工島に移転させ、結果的に統合案に近づけることが画策されている。」
「これで保守系会派の顔も立つ。市民病院の民間移譲が消えたのは、市民病院を動かすことができなくなるから。同一独法の傘下なら、市民病院自体を動かすことも、ベッド数をいじることも容易。前提になるのが3ヘクタール以上の用地取得。4ヘクタール買っておけば、どうにか統合が可能になる。結果的には当初の5ヘクタールを税金で買うところまでいくだろう。保守系会派も4ヘクタール案ならのめるはず。」
関係者への裏付け取材を進め、昨日の報道に至ったのだが、やはり4ヘクタール案は噂話ではなかった。
そして、昨日の報道に敏感に反応したのが議会関係者。「誰がしゃべった?」といった逆取材が舞い込む中、複数の市議会関係者が4ヘクタール案の存在を渋々認めた。
「大物(議員)と市の間の話。いずれにしてもこども病院は早く作り直さないとだめでしょう。老朽化が激しい。そこは共通認識。『こども病院を何年もこのままにするつもりですか』と詰められるとこちらも弱い。ならば、まずこども病院を先行させて、それから市民病院を(人工島に)持っていけばいい。妥協の産物よ。まだどうなるかは分からないけど、話は本当」「ばれちゃったんだね・・・。騒がれて、だめになるか、このまま押し切るかは分からない。」
関係者の話からは、こどもの為、あるいは市民のためといった言葉は一度も出てこない。こども病院は、統合移転にこだわる保守系会派と吉田執行部の政争の具にしか過ぎないのだろうか。しかも、議会の場ではなく、大物議員と市側の談合で、「こども達の未来」がやりとりされているとしたら言語道断である。
野党会派は市民の立場で
こども病院単独移転案に対し、勇気を持って「反対」ののろしを上げた患者家族。またたく間に万単位の反対署名を集めた。政党やイデオロギーにかかわることを避け「こどもの命を守りたい」という「親心」だけで、仕事や通院の合間に必死に活動する患者家族の姿に、市民の共感は増すばかりである。残念ながら市長案や統合案に共感する市民は少ないだろう。どうも「税金で生計を立てている人たち」の一部は、市民が、こども病院の移転先が人工島であることへの拒絶反応がどれだけ強いか、分かっていながら無視を決め込むつもりらしい。
守られるべきは「こどもの命」であって、市長や役人、議員のメンツでは決してない。そのことを忘れた市長や議員には、税金を費消する資格はないと申し上げておきたい。もちろん、くだらないことに税金を使いたがる「公人」には、選挙で退場をしていただくしかない。 「闇交渉」の結果がどうなるかは流動的であるとされるが、自民党をはじめとする野党会派が、市民の立場でこども病院問題に向き合ってくれることを心から祈りたい。市民アンケートの結果を知る自民党や、福祉政策の第一人者である公明党には特に期待したい。
福岡市役所北側のエレベーターに本日から、広告がお目見えした。少しでも財源を確保するための取り組みという。広告料収入は年間約90万円(20年度)を見込んでいる。
広告を張ったのは、庁舎行政棟のエレベーター。エレベーターの内部壁面と外扉。内側はよくあるが、外扉は横浜市や札幌市が先に実施したくらいで珍しいという。今回は試行的に北側の8基のみに広告枠を設けた。「少しでも財源を確保するため、今後も様子を見ながら、収益の上がるものを考えていきたい」と市の担当者。広告は、市と契約した取次代理店である株式会社TOMOE九州支社と株式会社システム開発タカラが担当する。
エレベーターに乗ろうとしていつもと違うことに気づいた市民は、「おっ」と驚いた様子。数人に感想を聞いてみると、「いよいよ市役所も広告だらけたい。赤字やけん仕方なか」「広告が張れるならもっと早くやればよかったのに」「財政が苦しいなら庁舎の壁や公用車でもできないの?」などと話していた。
財政再建にアイデアを
ただ残念ながら、90万円程度の収入で市の財政難が解決するはずもなく、広告のアイデア自体も他の自治体を模倣したに過ぎない。自治体広報紙の広告やホームページのバナー広告についても、多くの自治体が横並びに始めたものだ。
福岡市にとって、財政再建は喫緊の課題。これまでの概念にとらわれない斬新な収益事業が待ち望まれる。市職員は約1万人。他の自治体を真似るのもよいが、職員の中から、より大きな財源を生み出すための自前のアイデアが出てくることに期待したい。
豊田伸
▼03 「介護料金が割引になります」
訪問詐欺が博多で続出!
区役所職員をかたった女性が高齢者宅に上がり込み、「介護保険の手続きをすれば税金が安くなる」などと口車に乗せて現金をだまし取る事件が福岡市博多区で続いている。住人が目を離した隙に財布から現金を抜き取るとも報告されており、特に高齢者世帯で注意が必要だ。
市保健福祉局介護保険課によると、6月27日午後3時ごろ那珂校区で、7月1日午後4時から5時ごろに三筑校区で似たような事件が報告された。事件の概要は次の通り。
【那珂校区の場合】
福祉・介護保険課の者と名乗る女性(50代、ロングヘア)が高齢者夫婦宅に上がり込んだ。女性は介護保険の割引のための費用として1万円(手数料8千円と印紙代2千円)を要求、支払ったという。また女性は途中で席を外し、住人が目を離した隙に財布から47,000円を抜き取ったうえ、「領収書が車にあるので取ってくる」と言って立ち去った。被害額計5万7千円。
【三筑校区の場合】
50歳前後の女性(茶髪、黒いスーツ姿)が区役所から来たと高齢者夫婦宅を訪問。「介護保険の手続きができていないから来ました。手続きすれば税金が安くなります」と、地域の民生委員の名前を出すなどして信頼させたうえで上がり込み、年金証書や通帳を提示させ、通帳に定期的に記載のあった43,100円の支払いを要求。金を渡すと、「領収書が車にあるから」と出て行き、そのまま持ち逃げしていったという。世間話をするなど長時間のやりとりをしており、住人が席を外した隙に財布から金を抜き取られている模様という。被害額計11万円。
「区役所の職員が突然訪問し、介護保険の手続き費用など現金を要求するようなことはない。費用を支払い介護保険が割引になる制度もない」と同市。不審なことがあれば、区役所や警察へ連絡するよう呼びかけている。
豊田伸
▼04 こども病院人工島移転再考 その11
「周産期医療の整備・強化」が必要な理由
福岡市がこども病院に「周産期医療」の機能を加えようとすることの背景としては、産科医不足などによって1次・2次施設(※1)での分娩取り扱い中止や施設の閉鎖・縮小などが相次ぎ、結果として外来も含め3次施設(※1)への患者の集中が引き起こり、搬送されて来た妊婦の受け入れが困難という事例が続出していることが考えられる。
福岡市の医師数は平成02年から05年の間に30人(18%)も減っているし、06年までに、大学病院を除く9中核病院中、地域周産期母子医療センター(※2)担当2次施設6ヵ所が分娩取り扱いを中止している。さらに、医師不足や1次・2次施設の激減といった原因のほかにも、高齢出産や不妊治療による多胎出産(双子や三つ子など)の増加にともなうハイリスク妊婦・ハイリスク新生児の急増といった医療需要の変化と、NICU(※3)の病床不足という問題がある。福岡市内の産婦人科で、母体の救急措置と併せて、低体重や重い病気の赤ちゃんを24時間態勢で診ることのできるNICUを備えた病院は九州大、福岡大、九州医療センターの3カ所(計24床)しかなく、06年には、この3施設でも要請のあった約4割の受け入れを断っている。
なお、これは福岡市だけの事情ではなく、全国的な傾向でもあるのだが、このままでは福岡市の周産期医療の崩壊は火を見るよりも明らかである。この状況に「待った」をかけるためにこそ、こども病院の周産期医療機能強化が必要だったのである。
その必要性については認めざるをえないのだが、問題は、「人工島への移転」をすることによって、本当に、今、福岡市そして市民にとって必要な「周産期医療機能の強化」が実現できるのかどうか、という点にある。
この点を踏まえて、次週からお伝えする、「ある産婦人科医の意見」をご覧いただきたい。(つづく)
※1 1次・2次・3次施設
周産期医療施設の提供される医療のレベルに応じた区分。1次施設とは、街中にある産科クリニックや中小病院などのいわゆるお産施設で、主に正常分娩を担い、妊婦に合併症があった場合や新生児に異常があった際には2次・3次の施設へと送院されることとなる。2次施設とは、通常の産科医療を提供することができ、かつ中軽度のリスク妊婦や異常新生児であれば対応することができる施設を指し、3次施設とは、ハイリスク妊婦の受け入れから、その管理・分娩、また2500g以下の低出生体重児、そして重症新生児仮死その他重篤な疾患の治療などを行うことのできる高度専門施設を指す。
※2 地域周産期母子医療センター
産科、小児科(新生児診療を担当するもの)等を備え、周産期に係る比較的高度な医療行為を行うことができる医療施設
※3 NICU
新生児集中治療管理室。低出生体重児や疾患のある新生児を集中的に管理・治療する設備
日下部晃志
▼05 市長の週間予定表
(平成20年7月7日~7月13日)
<7日>
11:40 ~ 大博通りクラブ総会(国際ホール)
16:30 ~ 留学生育成奨学金感謝状贈呈式(ソラリアホテル)
<8日>
10:00 ~ 定例記者会見(記者会見室)
<9日>
10:15 ~ 客船「コスタ・アレグラ」初入港歓迎式典(中央ふ頭)
その後 ~ 東京出張による国要望(11日まで)
<11日>
14:10 ~ 福岡市企業同和問題推進協議会30周年記念の集い(アクロス福岡)
16:00 ~ ボルドー大学学長来訪(特別応接室)
<13日>
12:30 ~ 集団山見せ(楠田神社~天神)
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