▼０１ 人工島問題 吉田市政の実相露呈
問われる議会の良識（上）
▼０２ 145回の外勤を偽る
福岡市職員が手当不正受給
▼０３ ４月と５月で３４万円支出
福岡市長交際費を公開
▼０４ こども病院人工島移転再考 その１４
医療スタッフへの影響も考慮すべき
▼０１ 人工島問題 吉田市政の実相露呈
問われる議会の良識（上）
役人主導・・・見えてきた吉田市政
こども病院の人工島移転問題は、吉田宏福岡市長の本当の姿を市民にさらけ出すこととなった。
市長選挙時から「聞きたかけん」をキャッチフレーズに掲げ、市民の声を聞き政策決定に活かすことをアッピールしてきた吉田市長だが、患者家族や市民の声を聞く前にこども病院の人工島移転を事実上決定。
市民の声でもある移転反対署名を突きつけられても、人工島という前提条件を見直そうとせず、「説明会」を意見を聞くだけのガス抜きの場にしてしまった。
移転場所を変えるつもりがない以上、１０日の市民向け説明会、翌週１７日に予定される患者家族向けの２回目の説明会も、「話は聞いた」という結果を残すためのアリバイ作りに過ぎない。毎度おなじみの小役人の知恵である。
ちなみに、市長のマニフェストには、次のように記されている。「①市民の身のまわりの問題②その時々に話題となっている問題―などについて人々の意見を聞き、自分自身が問題について考え、それを市政に反映させる。」この「人々」とは市民ではなく「役人」であったことは、市役所という密室の中で、役人だけで人工島事業検証・検討をおこなったことでも明らかである。その後も市長は、役人の「検証・検討」結果を軸にすると主張し続け、一度も患者家族や市民の声を軸にすることはなかった。
明らかな「公約違反」である。
山崎前市長のオリンピック招致を「市民の声を無視して」と痛烈に批判して市長になっておきながら、こどもの命がかかる問題で、患者家族や市民の声を無視する姿は滑稽というより他にない。福岡市政史上、最低の市長との声にもうなずけるものがある。
「検証・検討」― 市民だましの茶番を許すな！ 舞台は議会へ
こども病院移転用地は「検証・検討」では、最低３ヘクタールとされていた。しかし、保守系会派と市側が「闇交渉」、将来の市民病院との統合に含みを持たせ４ヘクタールで妥協を図ろうとしていることなど、この１週間でさまざまなことが表面化している。結局は博多港開発の土地を税金で購入するという、「血税による尻拭いの構図」は何も変わっていなかった。それを変えると言ったのは吉田市長自身だったはずである。
市長が定例会見などで３ヘクタール以上の土地面積の必要性に言及しはじめたことは、「検証・検討」そのものが茶番だったことを証明している。公約違反どころか、極めてたちの悪い「市民をだました」と言っても過言ではない背信行為だ。史上最低といわれるゆえんでもある。
それでは、患者家族や市民の声をくみ上げるすべはないのかというと決してそんなことはない。最後の砦、市議会が残っている。最終決定権は６３名の市議が握っているのである。
つづく
▼０２ 145回の外勤を偽る
福岡市職員が手当不正受給
福岡市は本日、約４年間にわたって145回分の外勤手当を不正受給したとして、保健福祉局の男性係員（54）を懲戒処分（戒告）したと発表した。
市の規定によると、市内で職員が８キロ以上もしくは３時間以上の外勤に出る際、日当240円が支給される。
男性係員は平成１５年４月から同１９年１月までに、１４５回にわたって手当の出る外勤をしたと虚偽の報告をし、合わせて34,800円を不正に受給していたという。昨年監察室の監察によって疑惑が判明、市は業務日誌と照合するなどして調査していた。
また市は、指導監督が不十分だったとして、当時の上司だった課長級２人、係長級２人の４人を厳重注意処分とした。
市人事課は「コンプライアンスの向上に努めている中で、不正受給があったことについては誠に遺憾。今後このようなことがないよう管理、監督、指導を徹底していきたい」と話している。
豊田伸
福岡市は今月から、市長が行事などで支出した交際費をホームページ上で公表している。現在は４月と５月分が閲覧できる。吉田宏市長は、４月に63,800円、５月に276,937円、２カ月の合計で340,737円の交際費を使っている。
ホームページでは、①実施日②支出件名③支出区分（香典、生花代、大会開催への賛助など）④支出金額―を掲載。透明性を高めることが目的というが、香典や供花などの相手方の氏名は、情報公開請求があった場合しか公開しない。
４月と５月の交際費トップ３は‥
①博多どんたく港まつり（答礼用品代、答礼御礼を合計）140,125円
②西日本政経懇話会年会費96,000円
③元市議会議員死亡に伴う生花代14,700円
③市議会議員の親族死亡に伴う生花代慶弔14,700円
本社は情報公開請求を通して、市長交際費を詳細まで調査していきたい。
福岡市長の交際費執行状況
http://www.city.fukuoka.lg.jp/shicho/hisho/mayor/kosaihi.html
豊田伸
▼０４ こども病院人工島移転再考 その１４
医療スタッフへの影響も考慮すべき
――病院にかかわるのは、患者・家族だけでなく、医師そして看護師などの医療スタッフも当事者だと思いますが、医療スタッフにとって、人工島への移転はどのような影響を及ぼすのでしょうか。
久保田院長：
「救急医療」という観点から、こども病院の医療スタッフの方々は、恐らく、病院の近くに、居住されていると思いますが、病院が人工島に移転するからといって、市は引っ越しの面倒までみてくれるのでしょうか。そう簡単に個人の負担ではできないと思います。しかし、いつ何時呼び出しがかかるかわからない。医師だって晩酌をすることだってありうるでしょう。そんなとき人工島まで自分では運転できないので、タクシーを利用することになりますが、結局それは市の負担となってしまいます。人工島に移るということはそういった経済的負担を増すことでもあるのです。
本気で救急医療をやろうと思ったら、病院の側にいないとできないのです。救急医療に従事することを嫌がる人が多いのはそこなんです。それでも、患者さんのためを思って病院の側に住んでいる医療スタッフがいるのです。そういう人たちに、さらなる経済的負担を強いてしまうわけです。
――ただでさえ負担の多い救急医療に従事しているこども病院の医療スタッフに、今以上の負担を強いてしまうことで、医療スタッフの「現場離れ」が進んでしまう恐れもあるのではないでしょうか。
久保田院長：
聞くところによると、「人工島に移転するなら辞める」と言っている人もいるようですね。ただでさえ人手が不足しているのに、移転を強行してしまえば、医療スタッフがバタバタと辞めてしまう恐れがあります。市は果たしてそこまで考えて、「人工島に移転」と言っているのでしょうか。
――人工島へ移転することによって、こども病院の人手不足にさらに拍車をかけ、医療スタッフの負担がますます高まっていき、病院の機能に支障をきたすという悪循環に陥る可能性がある、ということですね。
日下部晃志
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