◆ 01 どうする福岡空港/福岡都市圏経済界を襲う乱気流 5
◆ 02 対アジア拠点空港としての北九州空港整備考 その70回
日本航空山口・北九州支店/下川和雄支店長に聞く(5)
◆ 03 改革派前市長による希望の提言(10) 木下敏之前佐賀市長
6年間の佐賀市長としての自己評価 2
◆ 04 柳川はすでに市長選?!
カナダのアトリエから見た福岡空港問題
田中勝/在バンクーバー
《切れてしまった頼みの綱》
新福岡空港の建設を悲願とする福岡都市圏の経済界にとって、憂鬱の始まりはPIステップ3に現在の福岡空港へ2本目の滑走路を建設するという増設案が盛り込まれたことであった。
報道でも増設案がクローズアップされ、大型公共事業に対する懐疑的な県民世論を助長すると同時に、国も新空港建設に対して消極的だと印象を一般に与えるからだ。
実際、非公式な場に限られるが国土交通省の空港関係者の間から、外海への空港建設という技術上の問題と、財政上の問題から福岡に新空港を建設することは難しいのではないのかという発言がよく行われているようでもある。
それにしても、PIステップ3には滑走路の位置や事業予算まで示された増設案に比べて、個別には具体性にかけるとはいえ6カ所に及ぶ選定地を比定した新空港建設案も示されていることは事実だ。
経済界としてはそれら比定地をたたき台にし、PIにおける議論を通して主導権をつかみ不満と憂鬱を払拭するほかなかった。逆に言えば、PIにおける議論のみが劣勢挽回の頼みの綱ともいえた。ところが、今回、PIにおける議論を無視し、頭ごなしに国主導で増設案に改良型が加えられ発表されたのだ。
頼みの綱が切られてしまう。
つづく
━━ 福岡空港を考えるサイト
福岡空港調査連絡調整会議 http://www.fukuokakuko-chosa.org/
行政コラム・改革派前市長による希望の提言(10) 木下敏之前佐賀市長
●6年間の佐賀市長としての自己評価−2
■選挙の構図
2期目途中で市町村合併により選挙となりました。人口16万人の佐賀市が、合計4万人の人口の三町一村と合併するのですから、通常は吸収合併ですが、対等合併でないと合併しないと町村側の意向に配慮して、対等合併を選択し、選挙となりました。
選挙の構図は、行政改革に反対する社民党が元水道局長を擁立し、それに既得権益擁護が狙いなのか自民党の推薦がつき、行革反対の共産党も独自候補を立てないで事実上相手方を応援するという不思議な構図でした。地元新聞は、元自治労の幹部であることや自民党が応援していることを、ほとんど報道もしませんでした。
こちらはボランティア選挙方式で戦いましたが、私も含めた陣営側に油断がありました。相手は、私が使った水道局の局長でしたが、改革をしない人でしたので、能力をわかっていた私は、油断してしまいました。相手がどうこうというより、強大な55年体制と戦うのですから、本来油断などできるわけはなかったのです。
また、改革の持つ本質的な構造で、改革はその効果が大きければ大きいほど敵が出来ます。このあたりを乗り切る力が必要でしたし、対策もある程度はわかっていたのですが、少し迷いがあってその手を打つことは出来ませんでした。
東京を活動の拠点にしてからの2年間、私のところにも志を持った人が相談に来ることがありますが、彼らには「改革者はいずれ倒れる」という改革の持つ本質的な構造と、それの乗り切り方を伝えています。これは、私にとっての貴重な敗戦の教訓であり、今、ビジネスをするに際して、とても役に立っています。
つづく
120回連載★対アジア拠点空港としての北九州空港整備考 その70回
■北九州空港「より一層の需要掘起しに官民挙げての智恵と努力を!」
日本航空山口・北九州支店/下川和雄支店長に聞く−5 最終回
《北九州空港への期待》
━━今後の北九州空港への期待と課題はいかがでしょうか
下川:
北九州には誇れるところや魅力がいろいろあると思います。しかし残念ながらPRや素材の掘起しが十分でなく、その魅力が首都圏の方々に知られていません。門司港レトロは観光地として知っていても北九州のことは知られていない。
博多と比べて首都圏での認知の低い北九州は、もっと有機的に観光開発を進めたり、受入れ体制を整備すべきだと考えます。
航空会社だけでお客様を北九州に引っ張って来ることはできません。北九州には日本が誇る大企業や独自の技術を持つ企業があり、産業観光なども可能性は高いと思います。また歴史や自然の観光資源も多くあると思います。
当社も最善の協力は進めてまいりますが、ぜひ地元の財界と行政がより一層の需要掘起しを念頭に入れ、北九州空港を育成していただければと願っております。
おわり(インタビュー・松尾潤二)
━━━━北九州空港を考えるサイト
北九州から飛ぶ東京! スターフライヤー http://www.starflyer.jp
1便5:30 北九州エアターミナル http://www.kitakyu-air.jp/
とべとべ北Q 北九州空港振興協議会 http://www.tobetobekita-q.jp/
柳川はすでに市長選?!
来年4月に任期満了を迎える柳川市長。この市長選を控えてすでに前哨戦が繰り広げられつつある、というのが関係者のもっぱらの見方である。
新柳川市になって来年3月で4年になる。その4月には現石田市長の任期切れに伴う市長選が予定されている。
しかし最近になって、市長選が3月に前倒しで実施されるのではないという噂が駆け巡っている。それを裏付ける動きが市長周辺から漏れ伝えられてきている。
市長の親戚にあたる人物が、「来年の3月になるのでよろしく」と現市長の出身町で動き回っているということだ。
なぜ、3月なのか。それは、3月市長選になれば市長反対派職員の選挙活動を封じることができるからだ、という観測である。4月ならば退職した職員が選挙活動で動き対立候補が有利になるからである、とのこと。
石田市長は議会において「出馬する意向」はまだ表明していないが、2期目に挑戦することは確実であるし、大多数の人はそう見ている。「選挙上手」といわれる現市長が、あるいは周辺がなぜこんなに早く動き回るのか、それには議会の事情がある、といわれている。
6月議会においても、石田市長はアスベスト問題を始めとしたピアス社跡地問題、旧柳川ホテルの「有印公文書偽造」―被害届問題、全日本同和会問題など議会多数派から追及をうけており、依然として新柳川市の行政が停滞し、方向を指し示していないという批判が充満しており、市民にも不満が高まりつつある状況にある。
こうした中で、市長のとる道は勇退ではなく、敢然と市政を継続することで市長の責任を果たすべきだ、というささやき声に動かされ、また勇退すれば逆にピアス社問題の処理に対する責任追及が強まり、問題が別の方向に発展する恐れがあるから、何とかして再選を果たしたいというのが市長の胸中である、とある人が話してくれた。
ここには、「市民のための政治」など眼中にはなく、自らの保身と利益だけだと市議のひとりも呆れ顔で語った。
現市長の立場と存在を揺るがしかねない事態が、6月議会のインターネット中継で明らかになった。それは旧柳川ホテルの「有印公文書偽造」―被害届をめぐる問題であった。(続く)
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