◆ 01 柳川はすでに市長選?! 「答弁偽装」のオンパレード
◆ 02 どうする福岡空港(4)福岡都市圏経済界を襲う乱気流 6
結局、国がものを言う
◆ 03 どうする福岡空港(5)小池邦弘県議会議員が語る
機能分担で見直しを
◆ 04 対アジア拠点空港としての北九州空港整備考 その71回
公共交通機関としてコンパクトに空港と都市を結ぶ−1
◆ 05 改革派前市長による希望の提言(10) 木下敏之前佐賀市長
6年間の佐賀市長としての自己評価 3
柳川市議会最終日の6月27日、本会議に先立って議員の全員協議会が開かれた。この中で議題になったのは、旧柳川ホテルの被害届をめぐる問題であった。
旧柳川ホテルをめぐる「有印公文書偽造」事件は、6月18日にも議論になり、被害届けを誰が、誰の名義で出したのか3月議会の答弁とは異なる回答が行なわれ、決着を見ていない問題であった。それを再現してみよう。
6月18日の本会議は、
「平成19年6月28日に総務部長が柳川署に呼び出されて、そのときに被害届けを出すように言われたのか」という三小田議員の質問に、副市長は「先の全員協議会のとおりである」と答え、柳川署から被害届けを出すように言われたことを認める回答を行なった。ところがである。同議員の「被害届けの印鑑は誰の印鑑なのか」との再質問に対して総務部長は「自分の私印です、その他はない。署名も自分の署名」と回答。この発言は3月議会での発言と異なる、ということで休憩になり、その後の全協で3月25日の全協の議事をテープで聞き取るという事態になった。
全協後、再開された本会議では「被害届けは市長にかわって部長が提出したもので、私が勘違いしていたもので申し訳ない」との副市長の発言がなされ、この発言に議員は納得せず議会は明確な結論を得ることは出来なかった。
この経過を受けて27日に全協が開かれたものだ。
全協の議論の概略は次号で述べるが、この日の議論は不鮮明極まる、ごまかしの答弁であり、議員の追及も不十分であった。
筆者自身この問題のやりとりを傍聴してきたが、全協、本会議を通して、市長ら執行部の答弁は、明確に「市長の公印を押した→市長の私印(部長が市長の指示または市長の意を体して代筆した)」と答弁したことは事実である。さらに市長は記者の問いに対しても当初「市長自らが私印を押し、職業名市長というかたちの被害届け」を提出したと回答している。ついでに言えば「過去の名誉毀損の届けの際も私印を押したので問題ない」と発言している。
こうして、旧柳川ホテルをめぐる「有印公文書偽造」事件―被害届け問題は、まさに偽装に偽装をつぐ答弁の繰り返しであった。
「有印公文書偽造」事件ではなく、「答弁偽装事件」と命名すべきであろう。
(つづく)
どうする福岡空港(4)/福岡都市圏経済界を襲う乱気流 その6
カナダのアトリエから見た福岡空港問題
田中勝/在バンクーバー
ニューファンドランド&ラブラドル州・WesternBrook Pondの谷
《結局、国がものを言う》
PIステップ3に示された3種の現福岡空港拡張案は、大型公共事業に対して懐疑的な一般県民には受けがよかったことや、新空港建設に及び腰になっているといわれる国の本音を物語るものだ、などという憶測も生み新空港建設を悲願とする福岡都市圏の経済界にとっては頭痛の種のようだ。
とはいえ、PIステップ3には新空港建設の比定地も現空港拡張3案に負けず劣らず6カ所示されている。
いくぶん旗色が悪い原理的新空港建設派にとって、福岡空港調査連絡調整会議が示したこの6カ所の新空港建設比定地は、いわば守城の内堀だ。
この内堀を一層堅固に築き直すことで足下を固め、守勢から一挙に攻勢に転じようという、いじましいとも言える動きがあった。
地元企業経営者有志が「新福岡空港促進協議会」の橋田紘一幹事長(九電工社長)をゲストに迎え新空港建設に向けた決起集会とおぼしき集会がもたれたことがあったのだそうだ。
この会合は定員400名ほどの会場で開催され「立ち見も出る盛況」(主催者)であったそうだ。が、地元企業有志が心をこめて、「福岡に新空港を!」
と声をかけたにしては400名に過ぎない定員会場そのものが狭小なのでは?とバンクーバーから見ていると思うのは人ごとゆえだろうか。
とにかく、この会合は大成功という総括で終わっている。アラスカの山々から流れ込む氷河。切り立ったフィヨルドの壁をバックに吠えながら跳ね上がるクジラが海面を腹でたたくような様子を日常見ている私からするとなんとも慎ましやかに大成功と見えるのだが
そんな、経済界のなんとも慎ましやかな努力を無視し、新空港建設案を葬りさるかのごとく、国の福岡空港総合的調査専門委員会(委員長/森地茂・政策研究大学院教授)が新案を発表する。
それが、ここの所、ふるさと福岡で空港問題について関心を持つ人ならば誰でも立場の違いなく注目した6月30日の発表だ。
PIステップ3の拡張案3案とは別に、かさ上げした滑走路を建設するという拡張案の「改良案」なるものが発表されたのだ。
これは、福岡空港の混雑対策について議論する人々にとっては、全く頭ごしの発表であり、特に新空港建設に向けて地道に世論形成を行なうなどの努力をしている地元経済界にとっては寝耳に水の話であったようだ。
それは新空港建設にむけて議論を進めていくうえで、頼みの内堀を巨大なモンスターがあらわれ両の手の平にした土砂で一瞬にして埋められてしまったような事態であった。
結局は国が決めるのだ、ということが形で示された事態が発生したとも言える。
つづく
━━ 福岡空港を考えるサイト
福岡空港調査連絡調整会議 http://www.fukuokakuko-chosa.org/
どうする福岡空港(5)小池邦弘県議会議員が語る その1
小池邦弘県議会議員(当選1回/選挙区・糟屋郡) 会派民主・県政クラブ
建築都市委員会・空港対策調査特別委員会所属
811-2243糟屋郡志免町東2丁目6番1号(事務所)
092-931-8522(TEL)(事務所)092-931-8523(FAX)(事務所)
―空港対策調査特別委員会で海外視察に行かれたそうですが。
小池/
仁川、上海を視察しましたが、両空港とも国家プロジェクトとして建設されています。空港対策調査特別委員会で視察の感想を出し合いましたが、アジアのハブ空港として福岡空港を造るというのであれば、国家プロジェクトでやらないととても無理であるという発言が多かったですね。
―ステップ3で新設2案と増設3案が出されましたが。
小池/
会派としてのスタンスは、新空港建設には否定的で、機能分担をもう一度見直してやっていくべきだというものです。新空港が本当に必要なのか、ましてや1兆円以上かけて海上空港を造ることが果たして必要なのか、環境問題もあります。
私の選挙区は新宮町も入りますが、行政側は交付税が入りますので結構乗り気のようですが、地元の反対派の方々から話を聞きたいと言われています。住民側は環境破壊や騒音問題があり当然受け入れられる話ではないということでしょう。そうした方々との話し合いには会派のスタンスで臨んでいきます。
先般、楢崎弥之助さんの米寿の祝賀会がありまして東京から多くの国会議員を送迎した折に皆さん方は、こんな利便性の良い空港はない、ということを言っておられました。
今、現空港の需要が限界に達するということが言われていましたが、現実には利用者は減少傾向にあって、離発着回数がマックスに達しているということにすりかわっていることがあります。それは航空会社が、大型機から中型機・小型機に移行したことによると思っています。利用者数は減って、航空各社の機材の状況で限界だから新空港を、というのはおかしいのではないでしょうか。巨額な資金を投じてまで必要なのか疑問です。
つづく (聞き手・大津 啓)
120回連載★対アジア拠点空港としての北九州空港整備考 その71回
■公共交通機関として空港を応援 コンパクトに空港と都市を結ぶ(1)■
西鉄バス北九州株式会社/久保裕二社長に聞く
西鉄バス北九州株式会社は、エアポートバスとして7つの路線を北九州空港へ走らせている。海外や首都圏、沖縄からとインバウンドで九州へ入ってくる人々の空港への到着後の足として、その存在は重要だ。
また、差し迫る環境問題と高齢化が進む現代の都市において公共交通として、その役割は大きいと同社社長久保裕二氏は語る。
空港、そして北九州の街づくりについて聞く。
《7路線のエアポートバス/公共交通の使命として》
記者/
昨年(07年)4月から、小倉駅北口発のノンストップも加わり7路線となった西鉄エアポートバスですが状況は、いかがですか。
久保/
乗車人員数で黒崎ルートが前年度比マイナス10%です。ひびきの学園都市・折尾西口線、朽網、行橋、下関線も厳しい状況です。若松、戸畑、小倉ルートのみが前年度比15%増でが、これはノンストップ便を投入したことによるものです。
記者/
1日390円という各安の空港駐車場料金が、エアポートバスの利用者を奪っているかと思いますが。
久保/
北九州空港はマイカーによる利用では大変便利な空港です。その点は成功なのですが、マイカーによる空港利用者は九州から外へ出て行く、いわゆるアウトバウンドのお客様です。
西鉄バスの北九州都市圏1日フリー乗車券
航空機で九州へ入ってきたインバウンドのお客様の足ということを考えると公共交通を充実しておかねばなりません。スターフラーヤーの好調で首都圏からの新しい旅客も増えています。
それら、インバウンドのお客さまに不便をかけない意味で、当社のエアポートバス路線は重要と考えています。
つづく(インタビュー・清田進)
━━ 北九州空港を考えるサイト
北九州から飛ぶ東京! スターフライヤー http://www.starflyer.jp
1便5:30 北九州エアターミナル http://www.kitakyu-air.jp/
とべとべ北Q 北九州空港振興協議会 http://www.tobetobekita-q.jp/
行政コラム・改革派前市長による希望の提言(10) 木下敏之前佐賀市長
■6年間の佐賀市長としての自己評価−3
《役人出身の限界》
もう一つ感じていた限界は、役人出身の市長としての限界でした。行革や福祉、教育については、打ち手が明確にわかるのですが、産業振興だけは中々うまく行ったという実感がなかったのです。もちろん、普通の市長さんよりは、はるかに実績を上げたと自負しています。
私が就任したときは半分以上売れ残っていた工場団地は、小糸製作所の誘致などにより完売の目途が立ちましたし(その後、完売したそうです)、佐賀城下ひな祭りなども定着しましたが、それだけでは建設業に代わる産業とはなりません。
どうしたら都会に出た若者が佐賀に戻ってきても良いな、と思わせるような企業を作りあげられるかが悩みでした。 落選後の2年間の民間での経験で、その悩みの原因が何であるかを理解できました。それは、非常に単純なことで、資金繰りも、資金調達も、金利も、名もないベンチャー企業が、大企業には相手にされないことも、私自身が何も知らなかったからです。要するに、自分でお金を稼ぐ経験をしていないと、そもそも産業振興などは出来ないということなのです。
民間の経験しかない人には意外でしょうが、役人は資金繰りや金利のことなどほとんど考えません。なぜなら、黙っていてもそこそこに税金が入ってくるからなのです。だから、耐震偽装問題で制度が変わって、建築確認申請が遅れても、そのことで会社が潰れるなどとは、役人は想像すらしていなかったでしょう。
私は、その後、拠点を横浜に移し、ベンチャービジネスの経営に参画するとともに、各地を講演でまわって自治体にアドバイスなどもしています。ひょんなことから夕張市立総合病院の経営を引き継いだ医療法人「夕張希望の杜」の応援をしており、次回は、夕張のお話などをしてみたいと思います。
つづく
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