2006年3月にオープンした博多中洲のゲイツビルであるが、ビル自体の集客不足でテナントが悲鳴を上げ続けている。地下に入居していた(株)トーホー(8142)のスーパーも、7月末で撤退を表明、上層階の飲食店舗は集客不足で短期撤退が殆ど。関東、関西の一流飲食店が入居するものの、お客が入らなければ撤退するしかない。撤退した店舗について、契約期間の未経過家賃や敷金の返還の詳細は不明である。
今回裁判に訴えた聘珍楼(本店・横浜)は、「高級ブランドショップが入居」というゲイツ側の入居勧誘が事実と異なり、これが集客に大きく影響したとして損害賠償請求訴訟を起こしている。聘珍楼は元々、中央区大名で黒字経営していたが、テナントに悩むゲイツ側が移転勧誘した経緯がある。店舗の内装工事代も半端ではなかったのだろう。請求額は4億74百万円と大きなものになっている。
テナントを埋めるために、07年12月、4階全フロアーにエクセル博多(JRA日本中央競馬会)を入居させたが、テナント間の相乗効果は殆どなく、2階、3階、5階フロアーは空いたまま。メインの1階も高級車のギャラリーと化かしており、ビル自体のコンセプトもないに等しい。ビル全体がネオンサインとなっており、中洲のランドマークビルに間違いないが、肝心の入居テナントは寂しい限りである。
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