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コダマの核心

『1992年以降組』が乗り越えられなかったものは インベスト倒産の総教訓編(2)
コダマの核心
2008年7月16日 13:05

先輩たちの中には塀の向こうに落ちた人がいた

 『1992年以降組』前史に一世を風靡した会社の一つに、興栄ホームがあった。建売で九州トップを目指し業績拡大を図ったが、会社更生法の申請という倒産のドラマが待っていた。顧客の住宅融資に二重三重のローンを組んだことで、詐欺罪が適用された。経営者は実刑を受けたが、一般の印象は「かなり厳しいな。そこまではしなくても」であった。数年してM社の経営者も自治体の職員を巻き込んだ公文書偽造で逮捕され実刑を受けた。

 『1992年以降組』の経営者たちは、「(3)コンプライアンス遵守の経営」からはじき出されるようなことはないと思っていた。しかし、先輩たちの時代と比較すると、不動産ビジネスの法的整備が整ってきたため、例えば、マンション管理組合の金を流用することは法に触れることが明確になったように、かってなら、法的不備であったからこそ道義的追及だけで終始でき「塀の向こうに落ちること」から逃げられたケースも、そうは行かなくなってきた。

 インべストの倒産の場合はどうであろうか。管理組合が債権者として名を連ねている。ただの時間差違いで債権者になったのか。場当たり的に、資金流用としたのではないのだろうか。可哀そうに、マンション購入者達がまたもや被害者になった。虎の子の契約手付け金が引っ掛かっている。購入者との間は単純な前受け金だけの関係であろうか。作為があるとしたら大ごとになる。

 16年前の早川氏はまだ若く、社会の穢れを知らない青年であった。経営者として成功すると、慢心して人が変わるのであろう。厳しい経営姿勢なら立派であるが「自分に甘く他人に厳しい」姿勢が今回の倒産を惹起した。そして「(3)コンプライアンス遵守の経営」から逸脱するとなると、局面が一転する。「なーんだ。先輩たちのデベ時代と同じかよ」とメッキが剝げる。これでは同世代の経営者たちに多大な迷惑を与えることになる。会社更生法の申請で局面が変わった。管財人の調査が本格化するだろうからその結果を待つしかない。(続)


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