――これからの自治体は経営の視点が必要になってきています。
田中 他町に比べて特別に財政が厳しいというわけではありません。6町合併が流れたときには心配し、5年ぐらいしか持たないのでないかという試算もありましたが、毎年行革を進め、3年間で4億8千万円の削減になりました。もう、しばらくは合併しなくても大丈夫だと思います。今までの道路整備などで公債比が上がっていますが、4~5年すれば減っていきますから、財政的には楽になっていきます。
――職員さんたちに方向を明示し改革に進めていくツボは何でしょうか。
田中 まず、職員の話をよく聞いていくことが大切だと思います。そのうえで町の現状を話して、みんなで考えようという方向に持っていかないと動かないと思います。職員、町民にしてもわが町を良くしようという気持ちは同じですから。
――道州制についてはどうお考えでしょう
田中 そんなに急がなくてもいいと思います。合併していない町が生き延びるためにどういう形がいいのか、道州制にどういうメリットがあるのか町民の目に見えてこないといけません。合併の促進というだけではいけないと思います。地方分権改革の一次答申を見ても市と町では大きな違いがありますし、町は当てにされていない内容ですから。
――新幹線着工後の町政運営に心配はありませんか。
田中 いつまでも、県や国と対立するだけでは町のためにならないと思いますし、だからといって新幹線に賛成とは言いたくはありません。国や県とどういうふうに折り合いを付けていくのかが一番の課題ですね。
――本日はお忙しいなか本当にありがとうございました。貴重な戦いの経験など参考にさせていただきたいと思います。
田中 こちらこそありがとうございました。
終わり
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