▼０１　人工島事業に新たな疑問！
　　　　　博多港開発と銀行間の契約文書入手
　　
▼０２　市長出席の説明会での光景から考える（上）
　　　　　「出発点の違い」はなぜ生まれる
　　
▼０３　真夏の福岡を冷ませ！
　　　　　打ち水大作戦始まる
　　
▼０４　市長の週間予定表　　
　

　

　

　
　

▼０１　人工島事業に新たな疑問！
　　　　　博多港開発と銀行間の契約文書入手

　データマックス取材班は、17日、福岡市の第三セクター博多港開発(株)と、福岡銀行をエージェントとして各金融機関との間に結ばれた「金銭消費貸借契約書」（132億円）、「限度貸付契約書」（40億円）及びその関連文書を、情報公開請求によって入手した。
一連の文書を公開するのは初めてとされる。

「協定書」はなくなったが・・・

　人工島事業に関しては、事業が始まる平成６年から、協調融資銀行団と博多港開発の間で「協定書」が結ばれ、同10年、13年、14年、17年と変更、追加などがなされてきた。山崎前市長時代には、市が事実上の債務保証を行っていたのではないかとして「協定書」がクローズアップされたことも記憶に新しい。また、人工島事業が時代とともに行き詰まりを見せていく過程も、「協定書」の内容から読み取ることができる。変更・追加のたびに、博多港開発にとって極めて厳しい条件が付けられるようになっていたのである。

　今年に入り協調融資銀行団から都市銀行が撤退、人工島事業を縛ってきた「協定書」は事実上なくなっていたのである。取材班は、福銀を中心とする地場金融機関との新たな枠組みでの「契約」が締結されたことから、福岡市に対し情報公開請求していた。金利のことだけが大きく報じられてきたが、報道各社も今回開示された一連の文書は保有していない。しかし、人工島事業について検証するためには、金融機関と博多港開発の間で、どのような約束事が交わされているのか、事実関係を積み重ねなければならない。
　
明白な公約違反の証拠

　入手した関連書類からは、公共事業とはかけ離れた人工島事業の実態、特に博多港開発の土地、預金といった資産そのものが、銀行によって押さえられている姿などが浮かび上がった。契約書の内容も含め、添付された関連文書からもさまざまなことが明らかとなりつつある。すでにわかっていたことではあるが、土地処分計画（案）と記された図面には、確かに、渦中のこども病院移転用地約5.3ヘクタールが「病院」と記されている。
　
　吉田宏福岡市長は、自身のマニフェストに「設定されている現在の土地利用区分をいったん白紙に戻す」と記していた。しかし、前述の図面も含め契約書に添付されているのは、従来の「事業計画書」であり、問題の5.3ヘクタールの用途は「病院用地」のままである。
今回開示された「契約書」は、今年の３月26日と４月30日に結ばれている。もちろん「検証・検討」作業の後である。つまり、公約である「土地利用区分をいったん白紙に戻す」という一文は反故にされたということに過ぎない。「検証・検討」が、事業計画を白紙に戻しての作業ではなく、市長公約を果たそうとしたというアリバイ作りだったことを如実に示すものだ。

　福岡市は、新たな枠組みの中で結ばれた２つの契約は、平成20年度までの暫定的なものであるとしてきた。確かにふたつの契約書の「貸付満期日」は「平成21年６月30日」とされている。

　新たな事業計画は、従来、用途が「病院」とされた5.3ヘクタールの行方次第で大きく変わる。その新たな事業計画から「病院用地」を削除させるためには、公約を守らない市長に対しリコールを突きつけるしかないのかもしれない。次週からは、開示された一連の文書について検証していく。

【特別取材班】

　

　
　

▼０２　市長出席の説明会での光景から考える（上）
　　　　　「出発点の違い」はなぜ生まれる

　17日夜、再び開催された福岡市立こども病院・感染症センターの人工島移転問題に関する患者向け説明会。ようやく吉田宏市長が出席し、患者家族から市長に直接思いを伝えられる機会は実現したものの、市長は「良質な医療を提供するため、十分な広さと機能のことを第一に考えれば、こども病院は人工島移転が適当」と従来通りの見解を繰り返すことに終始し、人工島移転の再考を望む患者家族の意見とは平行線を辿るばかりだった。

　市長は、終了後記者団に対し「市と患者家族の方との考えの出発点が違う」と述べ、権力を行使して、決着を図ることを示唆したが、それを言ってはおしまいである。

　そもそもなぜ「出発点の違い」が生まれたのかを考慮し、それに応じた配慮がなければ、「権力の濫用」になるし、問題の一応の決着はつけられても、「禍根」を将来に残すことにもなろう。

　こども病院が禍根を残さず、みんなに祝福されて新しい出発を迎えるためにはどうすればいいのだろうか。これまでの取材、そして説明会の光景を目の当たりにしながら考えたことを記してみたい。

　まずは、市長のいう「出発点の違い」はなぜ生まれるのか、についてである。政策決定とは、いくつかの案の中から「最良」のものを選ぶことに他ならないが、いずれの案も往々にして「メリット」と「デメリット」両方を含んでいる。メリットばかりの案というのはまずありえないので、問題の性質や環境によって「メリット」を取ったほうがいいのか、それとも「デメリット」を避けたほうがいいのかを決めなければならない。

　つまり、「経済性」「機能性」「利便性」「安全性」などの「比較の要因」に対して、どの要因をもっとも重視するかという「優先順位」を与えなければならない。こども病院の移転問題に関していえば、市長は「機能面（広さ及び、それに付随する機能や将来の拡張性）」を最優先とし、一方、患者家族は「利便性（公共交通があること、搬送時間が短いこと）」を最優先としているわけだが、市長の言う「出発点の違い」とは言い換えれば「比較の要因のなかで、どれに優先順位をつけるかの違い」と言っていいだろう。

　そして、なぜ、優先順位の違いが生まれるかといえば、価値観の違いであり、もっといえば、体験の違いでもある。（つづく）

【日下部晃志】

　

　
　

▼０３　真夏の福岡を冷ませ！
　　　　　打ち水大作戦始まる

　打ち水で真夏の気温を下げ、地球温暖化の緩和につなげようという「福岡打ち水大作戦2008」が18日、福岡市の天神イムズ前のプレイベントを皮切りに始まった。この日は打ち水いらずの小雨模様だったが、浴衣姿の女性が水と笑顔を振りまき、作戦をPRした。

　打ち水作戦は博報堂などが企画し、年々広がっている。福岡ではNPOグリーンバードなどでつくる「福岡打ち水大作戦本部」が2004年から取り組んでいる。

　この日は打ち水直前に小雨が降り、「ちょっと涼しくなっちゃったね…」との声も聞こえたが、道行く市民らにアピールしようと、浴衣を着たイムズのスタッフらが木桶の水を振りまいていた。

　打ち水のイベントは、19日にTNC放送会館前とJR博多駅広場、26日に北九州市の井筒屋前、８月６日に大牟田駅東口などでもある。いずれも雨が降ったら中止。「イベントは啓発なので、市民の習慣になってほしい」と作戦本部。

　詳しくは、「福岡打ち水大作戦」http://f-uchimizu.jp/
【豊田伸】

　
　

▼０４　市長の週間予定表

（平成20年７月21日～７月27日）

＜21日＞
12：30　～　広州市副市長との昼食会（桜坂観山荘）
14：30　～　アジア太平洋こども会議イン福岡20周年記念式典、記念撮影等（国際会議場）
16：40　～　同こども交流イベント会場視察
＜22日＞
18：00　～　日本BPW連合会福岡クラブ「福岡虹の会」講演（国際ホール）
＜23日＞
　　　　　　　東京出張
　　　　　　　福岡市東京懇話会（グランドプリンスホテル赤坂）
＜24日＞
　　　　　　　福岡市政に関する懇談会（東京・ルポール麹町）
17：30　～　平成20年度玉竜旗高校剣道大会開会式（マリンメッセ）
＜25日＞
10：00　～　交通安全推進協議会（ソラリア）
12：00　～　第18回ふくおか技能フェスティバル（同）
14：30　～　西陵高校管弦楽部来訪（特別応接室）

　
　
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