▼01 【新・独走スクープ】
「検証・検討」はお手盛りだった!
発注先は市民病院統合移転のアドバイザー業者
▼02 こども病院人工島移転再考 その20
医療関係者同士のやりとり第2幕
▼03 忌引きの勧めや営利企業就職
福岡市教委が教諭2人を懲戒
▼01 【新・独走スクープ】
「検証・検討」はお手盛りだった!
発注先は市民病院統合移転のアドバイザー業者
データマックス取材班は、福岡市に対し「人工島事業検証・検討」の支出に関する全ての文書を情報公開請求、22日、開示された文書を入手した。入手した文書から、検証・検討のための市立病院の経営分析業務を、特命随意契約で東京に本社を置く企業に委託していたことが判明した。
同企業は、山崎前市政下で決定していた市民病院・こども病院を統合移転させるための、平成18年度福岡市新病院PFI等アドバイザー業務を委託されていた。
市立病院の人工島への統合移転を推進する立場で業務を行ってきた企業に、人工島事業「見直し」の重要な部分を任せていたことは、「検証・検討」そのものがお手盛りだったということにもなりかねない。お手盛りで済めばいいが、業務の中味次第では「検証・検討」と称して事業推進の隠れ蓑にしていたことにもなりかねない。そうなれば吉田市政の市民に対する重大な裏切り行為である。この点については明日以降、詳しく報じていきたい。
開示された文書によれば、福岡市が市立病院の経営分析業務を委託する理由として「相当に高度で専門的な知識、技術及び経験を必要とし、本市職員がこれを行なうことが困難であるため」と記されている。「検証・検討」の報告書では何もかも市役所が作業を行なったように記されているが、実際は違っていたということである。市職員に病院の経営を分析する能力がないとするなら、市立病院など存続できるはずもない。これまでよく成り立っていたものだと感心してしまう。
外部アドバイザーとして4人の識者の存在は明記してあるが、病院の経営分析を外部の、それも市立病院の人工島統合移転を推進してきた企業に委託していたとは、あきれてものも言えない。
市役所内部で行なわれた、としていた人工島事業の「検証・検討」を、一部とはいえ市立病院人工島統合移転のアドバイザー企業に委託していたことは、「検証・検討」作業の公平性・信憑性に疑問を抱かせると同時に、大きな波紋を呼ぶことになるだろう。こども病院人工島移転問題で揺れる吉田市政への信頼は、ますます失墜することになりそうだ。
その証拠は明日24日、ネットIB(弊社ホームページ)での配信記事で明らかとなる。
【特別取材班】
▼02 こども病院人工島移転再考 その20
医療関係者同士のやりとり第2幕
新病院はまちがいなく赤字
7月10日に行われたこども病院人工島移転に関する説明会で、周産期医療の専門医で久保田麻酔科・産婦人科医院の久保田史郎医師と、福重淳一郎・こども病院院長のやりとりの第2幕をお伝えしたい。新病院における年間分娩数を250~300と予測する福重院長に対して、久保田医師はこう指摘した。
久保田医師:
今のお話では、年間250~300人ぐらいの出産があるとの予測ということでいいですか。と、いいますのは、私は中央区で開業しておりますが、こども病院が遠ければ、九大病院を越えて運ぶメリットはないんですね。城南区の人は福大病院に運ぶし、南区の人は徳洲会病院に運びます。こども病院の周産期医療が福岡市内でトップなら運ぶことも考えましょう。しかし、現在、こども病院に周産期医療はない。医者すらいない。そんな状況なのに、どうして、九大を越えてでも運ぼうと開業医に思わせるような病院ができると考えられるのか。1次医療を担当する開業医の立場としては、2次医療、3次医療(※)が必要な場合に、人工島まで送ることはしません。
従って、予測される250~300人という分娩数はその十分の一あるかないか。そうした場合に、周産期の医師の人数とスタッフ、助産師などにどれくらいの給与が必要で、そして、どれぐらいの収支を見込んでおられるのか。間違いなく、赤字は覚悟かと思いますが、どうお考えでしょうか。
福重院長:
この地域は、開業医のみなさんの診療所(クリニック)が大きく活躍しておられますから、施設分娩が全国平均より随分と高くなっています。福岡地区では70%ぐらいはクリニックで出産という状況です。全国的には、クリニックより大学病院や総合病院での分娩が多くなっています。
しかし、将来、開業医の高齢化、後継者不足により半数が閉院し、クリニックでの出産がまかなえなくなる状況がくるかもしれないという指摘もあります。これはもともと久保田先生が主張されていることでもあります。
【記者解説】
新こども病院における「年間分娩数250~300人」との福重院長の主張に対して、「開業医の立場からすれば、ハイリスクな患者を、はるか遠くの病院にはわざわざ送らない。従って、その見積もりは過大であり、間違いなく新病院は赤字になる」と久保田医師が真っ向から否定。続けて収支の予測について質問をしたが、福重院長は論点をずらそうとしたのかそれには答えず、福岡地区における分娩の状況の説明をはじめ、将来、開業医の高齢化、後継者不足でこれまで70%もあった施設分娩の半分がまかなえなくなるおそれがあると指摘した。恐らく「これまで地域の出産の大部分を担ってきた開業医が将来不足するからこそ、こども病院に周産期医療が必要」と言いたかったのだろうが、これに対して久保田医師はこう切り返す。(第3幕へつづく)
※1次・2次・3次医療
周産期医療施設の提供される医療のレベルに応じた区分。1次施設とは、街中にある産科クリニックや中小病院などで軽症患者に対応する医療、2次医療は入院治療を必要とする重症救急患者の医療、3次医療は複数の診療科領域にわたる重篤な救急患者の医療。こども病院は2次、3次医療を担うことを想定している。
【日下部晃志】
▼03 忌引きの勧めや営利企業就職
福岡市教委が教諭2人を懲戒
福岡市教育委員会は23日、生徒の留年を助けようと不正な届出を保護者に勧めた市立高校の男性教諭(47)と、営利企業の役員に就任し学校の書類をずさんに管理していた博多区市立中学校の女性教諭(41)をそれぞれ懲戒処分にした、と記者会見で発表した。以下、市教育委員会調べ。
【市立高校男性教諭】
男性教諭は今年1月末、受け持ちの生徒(当時3年生)が保健の授業で出席日数が1時間足りずに留年することが決定的となったため、保護者を学校に呼び出して面談し、欠席扱いとならない「忌引き」を理由とする欠席届を提出するよう提案。保護者は欠席届を教務部に提出したという。生徒にも「口外するな」と口止めしていたが、ほかの生徒の間で「留年のはずが忌引きになっている」などといったうわさが広がり、学校で調べたところ、事実が発覚した。留年が決まった生徒は自主退学した。「生徒を何とかしてやりたい」という気持ちだったという。
処分は、男性教諭が減給(10分の1)の3月。また、面談に同席していたのに報告しなかった生徒の部活顧問男性教諭(50)を文書訓告、管理監督責任で男性校長(59)を口頭訓告とした。
【市立中学校女性教諭】
女性教諭は、平成17年1月から、夫が代表取締役として経営するソフト開発会社の監査役に無報酬で就任していた。「営利企業等従事制限違反」にあたる。女性教諭に勤務実態はなく、本人は「無報酬だったら大丈夫」と考えていたという。
また女性教諭は、生徒の氏名が記入された道徳のアンケート用紙を自宅に持ち帰って集計や分析の処理をし、処理が終わった用紙を裏紙として使用していたところ、その一部を夫が会社の資料の出力に使用していたという。「生徒の名前のある用紙が利用されているのを見た」と教育委員会に指摘があり、明るみになった。戒告としている。
━ PR ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇ MAXふくおか市政Newsのご意見・ご感想を下記のメール受け付け。
https://www.data-max.co.jp/toi.htm
◇ 配信不要の方は、「市政ニュース不要」とご記入の上、下記アドレス
まで送信下さい。
media@data-max.co.jp
◇ MAXふくおか市政Newsは、ブレインメールのシステムで配信しています。
http://www.blaynmail.jp/news/topics/20070301.html
◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆
毎日更新(土・日・祝日を除く)で必読の新鮮な情報が目白押し!
福岡の企業情報サイトデータ・マックス『ネットIB』https://www.data-max.co.jp/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
※記事へのご意見はこちら