(株)サニーの実質的な創業者だった松本金也氏が14日、心不全のため死去した。89歳だった。
サニーは7月1日付けで西友に吸収合併され、屋号は残るものの、会社はなくなった。自分が育てた会社が消えるのを見届けるような死だった。
サニーは岩田屋、伊藤忠商事の共同出資で1963年6月設立。当初は衣料品や雑貨を含めた総合スーパーを目指し、ダイエーとも提携するなど試行錯誤したが、松本氏の方針で食品スーパーに特化してから業績が好転。マルキョウと福岡都市圏を2分する大手に成長した。
松本家は熊本の出身で、岩田屋創業家の中牟田家と姻戚関係を結び、金也氏も一時、岩田屋取締役として同社の経営に参画した。
その後、サニーは長男の英一氏が継いだが、岩田屋の経営不振で西友に身売りし、英一氏も退任、福岡地所が経営していたボンラパスへ転じた。その後ボンラパスはハローデイに売却され、英一氏は再び浪々の身になった。一連の動きを金也氏がどう見ていたか。いまとなっては知る由もないが、資本の論理には逆らえなかっただろう。 甥の中牟田健一氏がサニー売却の決断を下した時、何と答えたか、聞きたかった。
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