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No.048┃(株)最上 代表取締役社長 最上寛一 氏 | 福岡への提言200人
特別取材
2008年7月25日 11:32

「筑前芦屋 朴鶏の郷」を運営 いたわり、癒す空間として地域へ貢献

童謡・ふるさとから悟った志

 鮮魚販売業界で一目をおかれる(株)最上の代表取締役社長 最上寛一氏。事業の主柱である量販店でのテナント展開を続ける中で、大量生産・大量消費に疑問をもった4年まえから食のテーマパーク「筑前芦屋 朴鶏の郷」の運営に乗り出した。地元産の新鮮な魚や野菜を使用した手作り料理店「ととや」魚料理の「番屋」、物販コーナーのほか屋台もあり、また畑も開放されている。

 「日本の一番良かった時代は、というと私は江戸時代だと思っています。隣人の間に結びつきがあって、仲間同士青空の下、鍋をつついていた。そこには自然にいたわりあい、癒し合うという、今は忘れられてしまったコミュニケーションがあったのだろうと想像しています。生活が現代化、西洋化してしまい江戸時代の生活に戻るというのは無理ですが、理想に近いコミュニケーションの形をこのテーマパークで体感していただければと思っています。」

現代文明に対するアンチテーゼテーマパーク

 「山があり海も見える。そして畑だってある朴鶏の郷は日本の原風景のような所があってほっとするのかおばあちゃん、おじいちゃんがお孫さんの手を引いて来られる姿をよく見ます。」

 懐かしさをそそる、そんな原風景を背景に施設の屋根を葺く7千を超える瓦は最上氏と仲間たちが自分で焼いたという。また建築物の多くは廃材の再利用で建てられ、畑や遊歩道もこつこつと自分たちで普請した。これらの作業を現代ではリサイクルだとかエコなど大袈裟にいうが、江戸時代まで遡らなくても2、30年前には普通に行われていたことだ。

 そうやって、手作りで整えられた施設に、新鮮な食材を使ったレストランがあり、物販コーナーには近所の奥様たちに持ち寄ってもらった、これまた手作りの産品がならんでいる。

 大都市にいっている人たちが帰ってきた時みんなで良い環境の中で良い食材を食べる場所を提供したいという願いを形にしたのだ。焼く、煮る、蒸すに時間を裂けなくなってきているなかで、朴鶏の郷は大量生産、大量消費文化や過度にマニュアル化された現代文明に対するアンチテーゼの殿堂であり、今の社会が抱えた問題を解決する処方箋でもあるスローライフや地産地消、コミュニティーの復活などを実践するテーマパークともいえる。そんな朴鶏の郷には設計図などはなく、イメージが最上氏の頭のなかにあるだけだという。マニュアル化できない領域を目指してやっているのだからそれも当然のことだ。

 「朴鶏の郷のような日本のふるさとを各地に10ヶ所ほど作れないかと思っています。私と同じ思いを持つ方々と共同で運営するのです。全国に安易な開発で失敗したテーマパークが沢山あります。それらを活用する手もある。言ってみれば思想的テーパークのチェーン展開とでもいうものです。そこそこでの特長を生かしたいたわりや癒しを提供すればよい。山と海、そして畑といった日本を感じさせる風景がある場所ならやれるでしょう。」
と言う最上氏の話は、福岡への提言を超え日本人の心への提言となっている。

[プロフィール]
最上 寛一 (もがみ かんいち)     
(株)最上 代表取締役社長

1974年 丸福水産(株)専務
1979年 最上商店創業
1987年 (株)最上設立代表取締役就任

会社住所:北九州市小倉北区西港町89-12
電話:093-223-2090
URL:http://www.mogami-g.co.jp/


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