市中金融業者や消費者金融業者が作っている情報センターが各地に存在する。金融庁は、これらを解体して、一元化した組織にするように命令している。
一元化した組織を金融庁が直に管理するとのことである。業界もお上には立て付けず、各地の情報センターを解散させているが、そのため、九州では非常に困った問題が発生している。
情報センターは、消費者金融業者ばかりではなく、企業貸付業者や手形割引業者も加盟しており、特に九州では、消費者金融業者の貸付情報だけではなく、企業貸付情報や手形の割引情報なども加盟業者が情報を出し合って管理しているのである。
手形割引は、銀行のほか金融業者も合法的に割引いており、大手企業の手形なら年率5%以内の割引率だ。手形振出企業の手形の出回り具合や、割引残高などの情報は情報センターに依存している。一元化されるとなると、それらの情報がなくなってしまうのだ。特に、手形の信用だけで割引いている手形割引業者にとっては、今後営業を継続するか死活問題となっている。
困るのは手形割引業者だけではない。銀行が手形を割引いてくれない中小企業は山のように存在する。市中金融業者は既存の金融機関の補完的な役割を果たしているのである。特に高額手形の場合、買い取り手形が不渡りとなれば、持込人から回収できないのが現実。手形割引業者は、自らの経営が健全であってはじめて中小企業が持ち込む手形を割引でき、その割引で中小企業の経営が維持されているのである。
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