現在、食品や食品業界に対する消費者の不安は、これまでにない高まりを見せている。中国産冷凍食品による中毒事件や、国内で相次いだ食品関連の事故や不正事件により、食品そのものに対する信頼性が大きく損なれたことによるものである。
こうしたなか、行政や食品関連業界は、消費者に対し「安全」を確保し、「安心」を提供するために様々な取り組みを行なっている。
今回Net-IBチャンネルでは、特別連載企画として「食の安全・安心を考える」をテーマに、独自の取り組みを行なう企業をレポートする。
第1回は、「オゾン」が持つ強酸化作用を用いて「グリストラップ」の環境改善と、厨房設備の除菌など衛生保持に取り組む「株式会社オゾンライフ」をレポートする。
外食産業や食品メーカーなど、厨房設備を持つ施設に設置が義務付けられているグリストラップ(油脂分離阻集器)。排水に含まれる生ゴミ、油脂などを一時的に留め置き、汚水と油脂等を分解させ、汚濁物質が直接下水へ流れ込まないようにするための設備であるが、現在その油脂と発生する悪臭が問題となっている。
同社が手がけるグリストラップ浄化処理装置「エコブライト」は、グリストラップ内の各層(生ゴミ、油脂、流出層など)内にオゾンエアーを散気させ、オゾンが持つ強酸化作用によって悪臭や油脂を分解し、雑排槽や浄化槽、下水道へ汚濁物質を直接流さないようにする装置である。また散気されたオゾンは、槽内の悪臭、雑菌などを含む浮遊菌を除菌することから、設備の衛生面保持にも大きく貢献している。
オゾンの別の利用法として、エコブライトによって発生させるオゾンを水の中で散気させることで出来る「オゾン水」は、その除菌効果から厨房設備の洗浄だけでなく、食品についた雑菌や有機物質の分解にも利用される。
水に溶け込んだオゾンは本来不安定な性質であるため、数十分ほどで水の戻るため、残留性が無いことから安心して食品へ利用でき、飲食店などで食品の洗浄やまな板や食器などの除菌に利用されている。また、その特性から国内の水道局(東京都水道局、大阪市水道局など)でも水道水の殺菌設備の一環として用いられている。
食品そのものの安全性が大きく取りざたされているが、その食の環境に大きく関わる設備の衛生保持もまた重要である。
同社の取り組みは、直接人が手や口にする「食」の安全、安心を消費者へ提供するために必要である。また、厨房設備から排出される汚水を汚濁物質と排水へと分解することで、環境へかかる負荷も大きく軽減することにつながっている。
現在では全国で約700ヵ所、九州で約600ヵ所設置されており、大手ショッピングモールや農産物取り扱いでも採用が検討されるなど、着実な広がりを見せている。
(詳細は株式会社データ・マックス発行の経済情報誌「企業特報I・B」に掲載予定)
【株式会社オゾンライフ 企業概要】
代 表:狩野 義定
所在地:〒810-0042 福岡市中央区赤坂1-10-1
TEL:092-737-7066
FAX:092-737-7081
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