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スルガコーポレーション破綻へ 金融・司法行政の断固たる姿勢 (上)| 東京レポート
特別取材
2008年7月 7日 14:00

 USA。アメリカ合衆国のことではない。株式市場でささやかれている、危ない新興不動産会社の頭文字だ。いずれも、都心部の地価上昇というミニバブルに乗って、急成長を遂げたという共通性がある。「S」は、東証2部上場の(株)スルガコーポレーション(横浜市、中良久社長)。スルガの次はどこか。USAの残りの会社、UとAの社名が公然と取りざたされるようになった。

暴力団関連企業に地上げ委託

 (株)スルガコーポレーションは、暴力団とつながりのある大阪の地上げ屋を使っていたことが発覚し、信用失墜。予定していた不動産の売却が進まず、借入金の借り換えが困難となり、6月24日、東京地裁に民事再生法の適用を申請した。負債総額は約620億円。スルガが民事再生法を申し立てたのを受けて、株式市場では新興不動産株の売り注文が殺到。ストップ安となる銘柄が続出した。
 警視庁組織暴力対策四課は、3月4日、地上げ業者の光誉実業(株)(大阪市)の朝治博社長ら7人を弁護士法違反(非弁活動)の容疑で逮捕した。朝治容疑者は、山口組系暴力団の幹部と親しい関係にあったとされている。このため警視庁は、地上げ資金の一部が暴力団に上納された可能性があると見て、全容解明に乗り出した。この事件を機に、スルガが光誉の力を借りて急成長した実態があぶりだされた。
 スルガは1972年3月に設立された不動産会社。創業者は岩田一雄会長(70)。光誉の力を借りたきっかけは、東京・有楽町の商業ビルだった。このビルを取得したスルガは、入居者を立ち退かせて転売しようとしたが、交渉が難航しラチがあかない。ビル取得資金の借入金の金利負担がかさみ、資金繰りが悪化。スルガは倒産の瀬戸際に追い詰められた。このとき、共同都心住宅販売(株)の風間勇二社長(逮捕)から、「非常に力がある人物」として紹介されたのが、光誉の朝治社長だった。
 これにより、03年スルガの岩田会長は、初めて東京・渋谷の商業ビルの地上げを光誉側に依頼したという。朝治社長らは、瞬く間に退去交渉をまとめた。凄腕に舌を巻いた岩田会長は、次々に地上げを依頼。事件の舞台となった東京・麹町の秀和紀尾井町TBRや、居住者の権利関係が複雑な大型ビルの立ち退き交渉を光誉に委託するようになったのである。
 スルガから光誉に支払われた地上げ資金は、約150億円。うち65億円が光誉の報酬になっていたことが明らかになった。この報酬の一部は、暴力団に上納されていた可能性が高いと見なされている。

つづく

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