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政界インサイドレポート

内閣改造の迷走 “福田おろし”に動き出した公明党(前)
政界インサイドレポート
2008年7月30日 11:45

 洞爺湖サミットで支持率を回復できなかった福田首相は、”最後のカード”である内閣改造でなんとか政権浮揚をはかろうと賭けに出ようとした。ところが、そこに思わぬ障害が立ちはだかった。公明党が改造に強く抵抗を見せたのだ。
「このまま改造させると福田首相で年内解散を打つ流れになる。それで総選挙に勝てるのか」(公明党幹部)
 不人気宰相を代えることもできない自民党への苛立ちのメッセージだった。10年目の自公連立が大きく軋み、いよいよ福田政権の終わりが見えてきた。

支持率回復の見込みはあるのか

「総理がこれで改造する気を失えば、流れは政変だな」
 重要閣僚の1人が、「決断」できない福田首相の先行きを暗示する言い方をした。自民党内では政権の後見人、森喜朗・元首相を中心に、最大派閥の町村派をはじめとする各派がすでに改造に備えて「入閣候補」のリストアップを行い、首相官邸でも、内閣情報調査室が入閣候補と見られる議員のスキャンダル調査、いわゆる「身体検査」を終えているとされる。改造の準備は整っている。

 しかし、公明党の太田昭弘・代表は福田首相の党首会談の呼びかけに応じようとしなかった。連立政権の手続きとして、内閣改造には公明党との党首会談での合意が必要だ。福田首相はこれまで今年1月と4月(ガソリン暫定税率復活の再議決を行った直後)の2回、改造を検討しながら踏み切れなかっただけに、また先送りとなれば自民党内からも”人事権を行使できない首相”とみられて求心力は一層低下し、もはや権力の維持は困難になる。

 慌てた福田首相は7月28日に太田代表と会った。だが、党首会談ではない。公明党はわざわざ「改造を前提とした党首会談ではない」と注文をつけ、非公式協議として太田氏ら幹部が官邸に入った。
「何のための改造か。支持率回復の見込みはあるんですか」
 太田代表、北側一雄・幹事長ら公明党執行部は厳しい言い方で福田首相に注文をつけた。同席した伊吹文明・自民党幹事長は怒った。
「支持率のために改造するわけではない」
いかに連立パートナーとはいえ、公明党がそこまで首相の人事権に異を唱えるのは異例の事態だった。
「10年間の自公連立の歴史の中で、公明党のこんな強い態度は初めてだ。まるで福田内閣への不信任ではないか」
 自民党国対幹部はそう唸った。
「福田首相がこれまで改造するかしないかの態度をはっきりさせず、臨時国会の召集時期についても公明党に相談しなかったことで不満がたまっていた。総理はそれにお詫びをしなければならなかった」(国対幹部)
 
だが公明党の思いは、もはや不満というレベルを超えていた。

つづく


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