(株)夢大陸は、7月30日(水)18:00より西南学院大学内にて『ミスター円』で知られ現早稲田大学教授の榊原英資氏による特別講演『日本国再生』が開催され、世界的なインフレの話から始まり、今後の日本国はどうなるのかという視点で約1時間30分熱い講演がなされた。
今後の日本は、もっと大局を見据えた方策を考えねばならない特に、エネルギーと農業分野に対して国を挙げて強化していかねばならないこと。そして何と言っても、年金に関することはより詳細な話で、国ができることは、税金を取って福祉にあてること、つまり、福祉サービスのメニューを充実して、そのための税金を取ること即ち、広義の所得再分配を行なう。また、税金といっても、所得税や消費税のような一般財源ではなく、例えば、社会福祉税という名の特定財源で実施する。
しかし国には民間のように保険料をとって、これを金融市場で運用する能力はない。つまり、個人から保険料という形で資金を預かって、これを運用して、保険金として返すことはできないのである。
では、どうするのか。厚労省が保険業務から全面的に撤退する。年金は、基礎年金のみとし、全額税金で負担する。基礎年金の額が現在のものでは低すぎるなら、消費税を増税して年金額を上げる。また、医療や介護についても、全額、税金(例えば医療サービス税などという特定財源か消費税)でまかなう。現在の保険料が税金に変わるだけなので増税(正確には国民負担の増加)にはならない。
以上のように考えると、厚労省・社会保険庁の業務は大幅に合理化できる。税の側は国税庁へ、支払いの側は地方自治体に任せれば、省そのものがいらないということにもなるのだろう。そろそろ厚労省・社会保険庁解体を真剣に考えるべき時がきたと熱く語っていた。 100名の参加者は、熱心に耳を傾けメモをとる光景が印象的であった。