【スクープ】
吉村剛太郎参院政審会長に多額の秘書献金判明

　
　かつて参議院自民党の政審会長といえば、次の組閣での入閣が約束されたも同然のポストだった。現在の政審会長は吉村剛太郎参議院議員である。
福田改造内閣が発足した１日、その吉村議員側の政治団体に、同議員の公設秘書３人が毎年、多額の献金をしていたことが判明した。

　吉村議員は福岡県出身。地元の修猷館高校から早稲田大学、ブリジストン勤務を経て、県議を三期努め、衆院に挑戦（落選）した後、参院福岡選挙区で三期連続当選。「大臣への通行手形」と言われる参院自民党の政審会長に就任していたが、今回の組閣で入閣することは叶わなかった。

　国会議員の公設秘書は、「政策秘書」、「第一秘書」、「第二秘書」の３人である。吉村議員の資金管理団体「剛真会」には、2005年に３人の公設秘書から計446万円、06年には計387万円が個人献金として計上されていた。04年には「自由民主党福岡県参議院選挙区第一支部」に対し３人で計429万円の献金がなされている。
3年間での合計は1,262万円にのぼる。献金していた公設秘書3人のうち、政策秘書と第二秘書は今春、相次いで辞職していた。

　「国会議員の秘書の給与等に関する法律」では、第21条の３において、議員秘書に対し当該国会議員が、その所属政党や政治団体に寄付の勧誘または要求をすることを禁じている。

　関係者の話によれば、「長年やっている。私設秘書の給与とバランスをとるため、事務所の指示でやっていた。議員はもちろん知っている」としている。

　【特別取材班】

　

　
　

大賞は「マグニチュード　０」
インテリア博多人形展
　

　「第２回インテリア博多人形展」（博多人形商工業協同組合主催）の審査が１日あり、大賞に福岡市早良区の梶原正二さん（57）の作品「マグニチュード　０（ゼロ）」が選ばれた。２日から５日まで、天神地下街北側のイベントコーナーで展示される。

　梶原さんの作品は、３年前の福岡西方沖地震や制作中に起きた東北の地震にショックを受けたため、地震を起こすと言われるナマズの上に、お不動様を重石のように乗せ、地震が起きないようにと願いを込めたそうだ。

　同展は、博多人形を現代人の生活にも合うインテリアとして進化させようと昨年始まった。他の入賞作品は次の通り。敬称略。

　インテリア銀賞＝稲富昭満「志賀島幻想」▽インテリア銅賞＝松尾吉将「五節句香合」▽インテリア賞＝梶原正二「蓮華の舟」斉藤善月「七福神の宝船引き」戸畑茂四郎「福紐」小副川祐二「先走り」川崎幸子「月の舟」▽アイデア賞＝川崎幸子「月の舟」▽デザイン賞＝本田宗也「月衣」▽博多人形小売商組合賞＝柴田鬪夫「詩」▽産地卸協会賞＝植木進「寿紐」

　【豊田伸】

　

　
　

直接民主制を考える（中）
有権者と政治家との間の委任関係

　直接民主主義的なシステムが認められてはいるが、具体的にどのような事態に至ったときに、有権者はこの「直接民主制」に訴えるべきなのだろうか。

　その明確な判断基準は「公約」や「マニフェスト」を遵守したか、またはそれが出来なかった場合には、その理由や経緯について、そして今後も実現の努力を継続するのかどうかについての説明責任を果たしているか、であろう。

　議員や首長候補の熱心な支持者を除く多くの有権者は、残念ながら、候補者の人格や識見まで選挙前に知ることが出来にくいため、候補者が訴える「理念・政策」のみを判断基準として投票せざるをえないわけだが、この場合はそれら「理念・政策」を、候補者が当選すれば、当然実現する（あるいは実現するための努力を惜しまない）はず、という期待を折り込んでいるからである。

　しかし、05年１月の国会で小泉首相が「国債発行30兆円枠」などの公約を果たせなかったことを追及され「この程度の約束を守らないことは、大したことではない」と開き直って発言したことがあったことからもわかるように、「（公約が）少々守れなかったというのは大したことではない」と政治家自身が考える風潮があった。

　「公約」とは本来は公に約束することであるが、その約束が果たされたか否かを検証できない状況が続いたことにより、「公約」の意味が形骸化し、本来「約束」の意味であったはずが、「努力目標」というレベルに引き下げられてしまった。

　一方、このような事態に危惧を持つ一部政治家によって「マニフェスト」が導入され、従来の公約とは異なり、何をいつまでにどれくらいやるか（具体的な施策、実施期限、数値目標）を明示するとともに、事後検証性を担保するという方式が導入され、定着しつつある。

　このことは、議員や首長のいう「約束」を「努力目標」から本来の意味に近づけ、 有権者と政治家（候補者）との間の委任関係を明確化したとも言える。この点から考えれば、この「有権者と政治家との間の委任関係」が崩れた場合であれば、有権者が「直接民主制」に訴えてもよい、ということになる。では、福岡市について具体的に考えてみたい。（つづく）

　【日下部晃志】

　
　

　
　
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