市場全体が供給過多状態のなか、完成在庫を多く抱えたデベロッパーに対する銀行や金融機関の風当たりは強く、貸し渋り貸し剥がしは当たりまえとなっている。売れ残りの完成在庫を一括転売して金融機関に返済しているデベロッパーもある。
銀行が貸し渋るなか台頭してきたのが、ノンバンクやリース会社のファンド、しかしファンド関係は総崩れ状態で、ノンバンクも回収に大変だ。
そこで出番となるのが販売代理業者だ。彼らはこうした完成在庫の一括購入資金を提供してくれるスポンサー探しに躍起である。売れ残り完成在庫の、販売代理業者への一括売却価格は、一般消費者への販売価格の50%が当たりまえとなってきており、こうした物件を一般に70%台で売却すれば瞬く間に売ることができるそうだ。しかしながら、肝心のスポンサーがなかなか見つからないと嘆いている。
心理的なものから購入を見送っている潜在購入層は多い。しかし、新規物件は改正建築基準法によるコストアップや鋼材等の値上がりから、15%から20%高く販売価格を設定せざるをえないことから、彼らにとっても2度とない購入チャンスであろう。
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