またしても業務委託報告書に新事実
市保健福祉局が業務委託し、受託した業者により提出された文書から、新たな事実が明るみに出た。福岡市が従来3ヘクタールとしていたこども病院移転用地を大幅に増やし、結果的に移転用地を人工島に誘導するための布石ともとれる内容である。
「4ヘクタールの闇交渉」
マックス市政ニュース(メルマガ)では、こども病院人工島移転案について保守系会派の一部と市の間で「闇交渉」が行なわれていると報じてきた。あくまでもふたつの市立病院統合移転を求める保守系会派と、まずこども病院移転を決めたい市側の妥協案として、将来の統合を容易にする「4ヘクタールの用地取得案」が進められているというものである。(福岡市による人工島のこども病院移転用地面積は3ヘクタールを上限としてきた)
はじめから「人工島だけ」を想定!
その人工島4ヘクタール案を証明してくれるような記述が見つかったのは「平成19年度福岡市病院事業アドバイザー業務委託報告書」の中の「駐車台数の検討及び必要面積の算出」4ページから5ページにかけてである。
同報告書は、市が起債についての総務省との協議に備え、事前準備のために作成されたものであるが、次のような記述が続いていた。将来の建替えを敷地内で行なうことを前提とした検討、としたうえで、便宜的と断りながらも「アイランドシティ(人工島)」だけを想定したとする。
「敷地候補として上がっているアイランドシティ内30,000m2の敷地は・・・以下略・・・」「将来の建替を現敷地内で行なうことを想定する場合、南北への展開を想定し、敷地は8,000m2程度の拡張することが好ましい・・・」
「仮にアイランドシティの場合だと、建物の方位を意識した建替を企画するのであれば8,000m2程度の買い増しが望ましい」
この報告内容に対する業務委託は今年の1月、成果物としての「報告書」引渡しは3月である。この時期にはすでに人工島に移転することだけを想定して作業が進んでいたことになる。
理想は「40,000m2」と明記
こども病院移転候補地(六本松・九大跡地、九大田島寮跡地、当仁中跡地、香椎副都心)の中で30,000m2を越える土地面積が利用可能になるのは、人工島だけである。
これでは、人工島を選ばざるを得ないと言っているようなものだが、さらに問題なのは、人工島において30,000m2に、さらに8,000m2を買い増しするとなれば、土地を虫食い状態にはできないことから、10,000平方メートルを買い増すと考えた方が自然である。
結果、取得面積は40,000m2(4ヘクタール)ということになる。4ページの「まとめ」とする表には「理想」の面積に、はっきりと40,000m2と記されている。
用意周到な茶番劇である。土地を買うのも、病院を建てるのも、原資は「税金」である。報告書の内容は、税金を「市役所のもの」とする狂気の証明としか言いようがない。
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